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登録枠拡大で注目…ワールドカップに初登場の背番号「24~26」たち

2022.11.21

カタールW杯で背番号「24〜26」を着用する選手たち [写真]=Getty Images

 20日(日)に華々しい開幕を迎えた今回のワールドカップ。今大会は開催国のカタールがW杯デビューを飾ったが、“初出場”となるのは彼らだけではない。今大会はワールドカップの歴史において、初めて「背番号24~26」が登場するのだ。

 ワールドカップで背番号が導入されたのは1950年大会。その時は、背番号は固定されておらず、スタメン出場する選手が1~11番を背負った。そして1954年大会から選手各々に背番号が振り分けられるようになった。当時は1チーム22名。選手枠が23名に増えたのは2002年の日韓大会から。そして今大会は、コロナ禍の影響もあって1チームの登録枠が23名から最大で26名に拡大された。

 そのため、今回のカタール大会では「背番号24~26」がワールドカップデビューを飾るのだ。日本代表は「24相馬勇紀」「25前田大然」「26伊藤洋輝」というメンバーが名を連ねているが、他にも注目すべき背番号「24~26番」がいるので紹介しよう。

[写真]=Getty Images

■若手の有望株

シモンズ、ムココ

(左から)シモンズ、ムココ

 登録枠が拡大したことで、今後を見据えて「24~26番」に若手を入れるチームは少なくない。その最たる例が、ルイス・ファン・ハール率いるオランダ代表だ。24番はDFケネト・テイラー(20歳)、25番はMFシャビ・シモンズ(19歳)、26番はDFジェレミー・フリンポン(21歳)。「24~26番」の平均年齢は32チームの中で最も低い20歳となっている。

 中でも注目は攻撃的MFシャビ・シモンズだろう。バルセロナ下部組織出身で、パリ・サンジェルマンでプロキャリアをスタートしたシモンズは、今回がA代表初選出。今季からオランダのPSVに所属しており、リーグ戦最初の10試合で8ゴールと大活躍し、8月のエールディヴィジ月間最優秀選手にも選ばれた。父レジリオ・シモンズは、2003年に京都サンガでもプレーした元プロ選手なので覚えている人もいるだろう。今大会、どこまで出番を貰えるか定かではないが、注目したい選手の一人だ。

 ドイツ代表も「24~26番」の平均年齢は20歳となっている。FWカリム・アデイェミ(20歳)、DFアルメル・ベラ・コチャプ(20歳)、そしてFWユスファ・ムココ(18歳)だ。とりわけ今月20日に18歳になったばかりのムココは、全チームを含めて今大会の最年少選手だが、出番を与えられれば大ブレークの可能性がある。今月5日には、ブンデスリーガ史上最年少(17歳350日)で通算10ゴールを達成。そして16日の親善試合オマーン戦で待望のA代表デビュー。17歳361日でのドイツ代表デビューは、1954年のウーヴェ・ゼーラー(17歳345日)以降で最年少記録だ。

 そのゼーラーは、ペレ、クリスティアーノ・ロナウド、ミロスラフ・クローゼと並び、ワールドカップ4大会でゴールを決めたレジェンドの一人。ムココもその足跡をたどることになるかもしれないぞ!

 コスタリカも24番MFロアン・ウィルソン(20歳)、25番MFアントニー・エルナンデス(21歳)、26番MFアルバロ・サモラ(20歳)という若いメンバーが名を連ねている。さらにスイスも、24歳の控えGKフィリップ・ケーン(24番)を除けば、25番MFファビアン・リーダー(20歳)、26番MFアルドン・ヤシャリ(20歳)といった若手を入れている。

■飛び道具

ウィルソン、マディソン、ペドロ、ケビン・ロドリゲス

(左から)ウィルソン、マディソン、ペドロ、ケビン・ロドリゲス

 3枠を有効利用するために「24~26番」に飛び道具を入れているチームもある。例えばイングランドがそうだろう。イングランドは3名のうち2名がサプライズ選出となっているのだ。24番に入ったのは3年間も代表から遠ざかっていたFWカラム・ウィルソン(30歳)だ。イングランドにはFWハリー・ケインという絶対的ストライカーがおり、控えFW争いが過熱したが、最終的に滑り込んだのは今季ニューカッスルでリーグ戦6ゴールを決めているウィルソンだった。

 さらに25番を背負うのは、これまたサプライズとなったMFジェイムズ・マディソン(25歳)だ。同じく3年ぶりの代表入りとなったマディソンは、A代表では3年前に1試合(35分)に出場したのみ。それでもガレス・サウスゲート監督は「他とは違う何かをもたらしてくれる」として、今季レスターでプレミアリーグ13試合7ゴールと好調な攻撃的MFを抜擢した。

 ブラジルも「24~26番」は飛び道具的な選手選考となった。24番はユヴェントスのDFブレーメルだが、25番には代表2キャップしかないFWペドロ(25歳)を選出。彼はメンバー入りが決まった際に恋人にプロポーズしたことでも話題になった。そして26番を背負うのは、好調アーセナルで3トップの一角として活躍しているFWガブリエウ・マルティネッリ(21歳)だ。層が厚いブラジル代表でレギュラーは難しいかもしれないが、キレのある縦への突破と好戦的なプレースタイルで、ポイント起用が予想される。

 エクアドル代表も飛び道具を入れてきた。前線にエネル・バレンシアという絶対的ストライカーを擁する同チームは、前線の控えとして24番のFWジョルカエフ・レアスコ(23歳)と26番のFWケビン・ロドリゲス(22歳)を入れてきた。そして、このケビン・ロドリゲスが20日のカタールとの開幕戦でピッチに立ち、ワールドカップ史上初の「背番号26」となった。ケビン・ロドリゲスは、今大会のメンバーの中で、唯一エクアドルの2部リーグでプレーする選手。2部のインバブラというクラブで2022年シーズンに11ゴールをマークした。今月13日の親善試合イラク戦でA代表デビューを飾り、190㎝の身長を活かしたパワフルなプレーでアピールに成功してサプライズ選出となった。

■最強の24~26番

ラポルテ、ファティ、ペドリ

(左から)ラポルテ、ファティ、ペドリ

 今大会の「24~26番」だけで3対3のミニゲームの大会を開いたら、恐らく優勝するのはスペイン代表だろう。24番にはマンチェスター・Cに所属する世界有数のセンターバック、アイメリク・ラポルテ(28歳)が入った。さらに25番はバルセロナのFWアンス・ファティ(20歳)、そして26番にもバルセロナの次世代エースであるMFペドリ(19歳)が名を連ねているのだ。ペドリは18歳で出場した昨年のEURO 2020ではチームのベスト4に貢献し、大会の最優秀若手選手に選ばれた有望株だ。

■愛着の番号

アルバラード、カマヴィンガ、スリマン

(左から)アルバラード、カマヴィンガ、スリマン

 中には、あえて「24~26番」を選んでいる選手もいる。メキシコのFWロベルト・アルバラード(24歳)などは、あえて背番号25を付けている。今大会の「24~26番」の中では最多キャップとなる32試合(4ゴール)の実績を誇るアルバラードは、若い頃から所属クラブで背番号「25」を背負っており、現在も「25番」を付けてグアダラハラで主力として活躍している。そのため今大会も愛着のある番号を着用することになった。

 フランスのMFエドゥアルド・カマヴィンガ(20歳)も「25番」には愛着がある。フランスのレンヌ時代に背番号10を背負っていたカマヴィンガだが、2021年夏にレアル・マドリードに引き抜かれると、背番号の選択肢が限られたこともあって「25番」を選択。すると、加入1年目から公式戦46試合に出場し、チャンピオンズリーグ決勝では途中出場に留まったものの欧州制覇に貢献した。今シーズンから「12番」を背負っているが、今大会は「25番」をつける。

 チュニジアのセントラルミッドフィルダー、アニス・ベン・スリマン(21歳)も背番号25を背負う。デンマーク生まれながらチュニジアにもルーツを持つスリマンは、デンマークU-19代表でプレーしていたが、ファンサイトに掲載されたプレー映像を見たチュニジアサッカー協会のスタッフに声をかけられたという。そしてU-20世代からはチュニジアを選択。既にA代表で24試合4ゴールの成績を残しており、昨年のアフリカネイションズカップでも主力としてプレーした。彼は2020年から所属するデンマークのブレンビーで「25番」を背負っており、今大会も同番号を付けてピッチに立つ。

(記事/Footmedia)

By Footmedia

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

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