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B・フェルナンデスとエリクセンも…カタールでのワールドカップ開催を非難

2022.11.14

カタールでのW杯開催を批判した(左)B・フェルナンデスと(右)エリクセン [写真]=Getty Images

 マンチェスター・Uに所属するポルトガル代表MFブルーノ・フェルナンデスとデンマーク代表MFクリスティアン・エリクセンが、カタールで開催されるワールドカップを取り巻く状況に満足していないことを強調した。13日、イギリスメディア『BBC』が伝えている。

 11月20日に開幕を迎えるFIFAワールドカップカタール2022だが、その開催地であるカタールでは招致活動における不正疑惑、スタジアムに関する移民労働者の人権問題、LGBTQ+コミュニティに排他的な文化、欧州のシーズン真っ只中となる開催時期などの問題から、多くの国がいまだに大会開催への懸念を表明している。

 イギリス紙『ガーディアン』は2021年2月に、カタールがW杯の開催権を手に入れて以降、6500人の労働者が死亡したと報道。しかし、公式記録では2014年から2020年の間にW杯スタジアムの建設現場で37人の労働者が死亡し、そのうちの3人だけが仕事関連で亡くなったと報告しており、カタール政府も老齢やその他の自然な要因で亡くなってしまった可能性もあることから、その統計は誤解を招くことを強調している。

 それでも、国際労働機関(ILO)によると、カタールは心臓発作や呼吸不全による死亡を仕事に関連したものとして数えていないことから、数字は過小評価されていることを伝えている。このような状況から、FIFA(国際サッカー連盟)は出場する32チームに政治は脇に置いて今はサッカーに集中するよう要請しているものの、カタールW杯開催の是非をめぐる議論は続いている。

 そんななか、W杯で中断される前のプレミアリーグ第16節のフルアム戦(2-1で勝利)の試合後、B・フェルナンデスはイギリスメディア『スカイスポーツ』でのインタビューで来週にW杯が開幕を迎えることは「もちろん、不思議だ。W杯でプレーしたい時期ではない」と異例のシーズン中のW杯開催を批判した。

「選手やファン、すべての人にとって今は最高の時期ではないと思う。子どもたちは学校へ行き、人々は仕事をしている。みんなが試合を見るのに最適なタイミングではない。サッカーはみんなのものであってほしいと思っている。W杯というのは世界だから、みんなに参加してほしいもので、誰であるかは関係ない。このようなことは決して起こるべきではない」

「過去数週間から数カ月にわたって、スタジアムの建設中に亡くなった人々やその周りの状況について見てきた。僕たちはそのことについて満足していない。W杯というのはサッカー以上のもので、ファンや選手にとってはパーティーであり、見ていて楽しいものである。もっといい方法で開催されるべきだ」

 また、昨年6月に開催されたEURO2020の舞台で試合途中に心停止となり、ピッチ上で蘇生措置を受けて一命を取り留め、その後は植え込み型除細動器(ICD)を装着しながら現役復帰を果たし、今夏からマンチェスター・Uでプレーしているエリクセンは「W杯のために懸命に努力をしてきたし、それが待ち遠しい。どこで開催されようがこれはサッカーだ。予選を突破したから、サッカーをプレーするだけだ」とW杯への意気込みを語りつつ、次のように続けた。

「僕は完全にブルーノに同意する。W杯がどのように招致されたのか、なぜカタールなのか、多くのことに焦点が当てられている。正しい方向には進んでいない。僕たちはサッカー選手であり、政治はその決定を下す上で重要なことだ。できるだけ自分たちの言いたいことを言って、できることをしようとしている。それに集中したいと思っているが、他の別のところを変えないといけないだろうね」

By サッカーキング編集部

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