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自信を持って挑んだ夢の舞台、長友佑都が2010年南アフリカ・ワールドカップを振り返る

2018.05.08

2010年大会のマーキュリアルと同じデザイン(オレンジ×ウルトラバイオレット)のエアマックス 270も登場した

 鮮やかなオレンジと、聞き慣れないウルトラバイオレット。この組み合わせは長友佑都にとって、「懐かしさを感じる」色だという。

 今から8年前、長友はこのカラーのスパイクを履いて南アフリカのピッチに立った。初めてのワールドカップ。不安や恐怖がなかったと言えば嘘になる。ただそれ以上に、「スピードでは負けない」という揺るぎない自信があった。

「スピードにはかなりの自信がありました。南アフリカ大会までの半年間、毎日ダッシュを繰り返していましたから。とにかくスピードを上げないと通用しないと思ったんです。だからこそ、スピードとキレがあったワールドカップだったという印象が残っています。一対一でも負ける気がしなかったんですよ。初戦で(サミュエル)エトーと対戦しましたけど、全然負ける気がしなかった」

 そのスピードとパワー溢れるプレーが評価され、長友は海を渡った。「世界一のサイドバックになる」という決意を胸に戦い続け、31歳になった今、彼はスピードとどのように向き合っているのか。

「若い時は『走っておけばいい』とがむしゃらにガンガン行っていました。でも、それがうまく行かなくなると、自分の後ろを突かれてしまう。行くべきところ、行かないところの判断ができるようになりました。セリエAで守備や戦術を学んで、今は(スピードを生かす)タイミングが良くなった」

 長年愛用するスパイク、『マーキュリアル』のサポートもあるという。

「年齢を重ねたことで、フィジカル的に自分では落ちたと思わなくても、キレの部分や疲れの残り方が多少変わってきている。スパイクや自分の使っているもので、うまくサポートしながら、維持しています」

長友佑都

 長友が幾度となく壁を乗り越えてきたように、スパイクも進化し続けてきた。

「靴の中で足がずれなくなりました。僕は機敏にキュッキュッと動くタイプなので、靴の中でずれてしまうと、それだけロスしてしまうんです。でも、それがなくなってきたと感じます。次の動作に切り替える時にずれないから、その分、速くアクションを起こせる」

 今回、長友が2010年モデルを手にしているのは、W杯の過去5大会の『マーキュリアル』がNIKEiDとして復刻したため。「南アフリカ大会は良いイメージがあるので、見ているだけで何だか沁みますね。これを履くだけでフィジカルコンディションが上がる気がしますからね」。そう言って、長友は頬を緩める。

長友佑都

 試合前に欠かさずやっていることがあるという。「自分が使うものに対しては感謝を伝えます。スパイクやレガースを触って、『ありがとう、よろしく』と言うんです」。長友が8年前を再現するかのように、オレンジとウルトラバイオレットのシューズを優しく触る。その大きな手は、すでにロシアへの燃える想いで熱くなっているようだった。

インタビュー・文=高尾太恵子
写真=ナイキジャパン

By サッカーキング編集部

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