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W杯出場枠拡大が決定…FIFA会長はサッカーの発展を強調「多くの国が夢を見られる」

2017.01.11

W杯出場枠の拡張が決まった [写真]=FIFA via Getty Images

 FIFA(国際サッカー連盟)は10日、2026年のワールドカップから出場枠を48カ国に拡大することを発表した。

 9日、10日にスイス・チューリッヒで理事会が開かれ、W杯出場枠を現行の「32」カ国から「48」カ国へ増やすことが全会一致で決まった。理事会では大会のクオリティ、フットボールの発展における影響、インフラ、財務計画などの調査レポートをもとに、4つの大会フォーマットが協議されたという。大陸連盟ごとの出場枠配分などの詳細は、5月9日にバーレーンのマナーマで行われる理事会以降に話し合われる。

 2026年から開催される48カ国でのW杯では、3カ国ずつの16グループによるグループステージを開催。各グループ上位2カ国、計32カ国がノックアウト方式の決勝トーナメントへ進出する。総試合数は64試合から80試合に増えるが、1チームの最多試合数は7試合のまま変わらず、大会期間も現行の32日間で開催可能だという。

 W杯出場枠の拡大を公約に掲げ、昨年2月のFIFA会長選挙に当選したジャンニ・インファンティーノ会長は、理事会後の記者会見で「出場枠は16カ国増えるが、その中にはW杯出場を夢にも思わなかったような国が含まれるかもしれない。W杯出場のチャンスが増え、より多くの国が出場を夢見ることができる。理事会ではフットボールの発展のためのポジティブな決断として、全会一致で承認された」と説明した。

 しかし、ヨーロッパのクラブが加盟する欧州クラブ協会(ECA)は同日に拡大への反対を表明。「EACは原則としてW杯の拡大を支持しないことを改めて表明します。完璧なフォーマットとされる現行の32カ国のフォーマットを変更するメリットが分かりません。この決断は、スポーツ的な理由よりも政治的な理由で下されたと理解しています」と批判している。

 それに対して、インファンティーノ会長は「多くの国にとってW杯出場権を獲得するチャンスになる。4年ごとに1カ月間で開催するのは変わらないため、フォーマットや多くの国にチャンスを与える以外に大きな変更はない。徐々にメリットを理解してくれればいいと思う。いくつかのクラブから批判の声は上がっているが、私はポジティブな点に集中したい。この決断を支持してくれている人たちも多くいるが、もちろん全ての人にとってハッピーなものではない」とコメント。

 さらに、「もう20世紀ではなく、我々は未来にいる。21世紀のためのW杯を作っていかなければいけない。現在のフットボールはヨーロッパや南米以上のものでグローバルなもの。W杯出場権を獲得した国の“フットボール熱”は、発展を促進する最も大きなツールで、出場権が決まる9月から大会開催の(翌年)6月までの9カ月が最も重要な期間だ」と、W杯出場による世界的なサッカー発展の重要性を強調した。

 また、グループステージの試合方式について、勝ち点や得失点差が同じ場合、PK戦の導入やFIFAランキングを参考にする方法などを検討しているという。今後も話し合いが行われるようで、「大会の数年前に決めるべきこと」とコメントするにとどまった。

 第1回ワールドカップは1930年に13カ国で開催された。以来出場国は拡大の一途をたどり、現在の32カ国体制は日本が初出場を果たした1998年フランスワールドカップから続いており、48カ国開催が正式に決まったことで、2022年のカタール大会が現行体制で臨む最後のワールドカップとなる。

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