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ブラジル政府当局は「ワールドカップで観光客が空港問題に直面することはない」

2014.05.30

写真は2014年4月25日、クリチバのアフォンソ・ペナ国際空港の拡張工事部分 [写真]=Infraero

 ブラジル政府は予定されていた全てのアップグレード工事に関して未完の部分が多いにも関わらず、ワールドカップのために訪れる観光客が空港で問題に直面することはないというメッセージを発信していると、「FOXスポーツ」(5月20日づけ、電子版)が伝えている。

 この主張は頼もしい限りだが、本当に心配はないのだろうか。

 ウェリントン・モレイラ・フランコ大統領府民間航空局長は、ワールドカップの観光客を受け入れる準備は終了しており、重要なプロジェクトに限ってはすべて完成すると、 AP通信とのインタビューで明かした。

「私は観光客がまったく心配しなくなるだろう」と、フランコは述べたという。

 前日には、ルセフ大統領が毎週放送しているラジオ番組を利用して、空港が準備をほぼ完了している状態だと保証した。

 懸念を軽視する政府の試みは、W杯トーナメントが始まる3週間前にして、問題としてやって来る可能性があることを「FOXスポーツ」は指摘する。最近起こった問題としては、月曜日に降った大雨で、熱帯雨林に近い都市マナウスの空港の集客ターミナルで大洪水が生じた。旅行者を動揺させ、空港関係者には幾つかのエリアを仮に閉鎖させる事態となった。

 ただし、近年たびたび報告される大雨などによる被害は自然環境の大きな変化が原因で予測不可能な事態であり、必ずしもインフラ整備の遅延のせいではないとの見方もある。

 各空港での工事は全速力で続いているが、ワールドカップ開催のためだけに予定されていたプロジェクトの多くが、工事が終了するのが大会終了後、という予定に変わりつつある。先のフランコ氏は「もちろん、全ての予定工事が大会前に完成されることが望ましいですが、現実的には終わらないでしょう」と述べた。

 そして、「しかし、それらは問題が起こりうるというものではありません。工事は終わっていませんがそれはただの遅れに過ぎず、準備がされていないというわけではありません」と続けた。

 ブラジル政府はワールドカップ期間中には、外国からやってくる60万人を含めて、3700万人が国内を旅行することになると予測している。ほぼすべての開催都市間の移動手段が飛行機になるので、空港は非常に重要なインフラ施設となる。

 フランコ氏は、ブラジルの空港はすでにクリスマスと新年のピーク期間に比べても、より多くの乗客を扱うことができるようになっていると述べた。

(記事/MEGA BRASIL、文/加藤元庸)

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