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韓国戦で決勝弾のホンジュラス代表FWエリス、誹謗中傷に無言の反撃

2016.08.17

韓国戦で決勝ゴールを挙げたホンジュラス代表FWエリス [写真]=Getty Images

 13日に行われたリオデジャネイロ・オリンピックの準々決勝で韓国代表を破ったホンジュラス代表。

 試合は終始押し込まれる厳しい展開となったが、守護神ルイス・ロペスが好セーブを連発。鋭いカウンターからアルベルト・エリスの一発によって会心の勝利を収め、ベスト4進出を決めた。

 同国は1956年に国際五輪委員会に承認され、1968年のメキシコシティ大会で初出場を果たしているが、すべての競技でこれまで一度もメダルを獲得したことがなく、ロンドン五輪でも日本代表に次いで2位でグループを突破したものの、準々決勝でブラジル代表に敗れている。

 今回、準決勝で再びブラジルと対戦するが、もし勝利することになればサッカー界はもちろん、同国にとって初のメダル獲得という歴史的な快挙となるわけだ。

 一方、2大会連続でのメダルを目指していた韓国は優勢に進めていただけに悔しい敗戦となった。

 特にオーバーエイジとして参加したFWソン・フンミン(トッテナム)は、メダルを獲得すれば兵役が免除される状況にあった。それだけに、試合終了のホイッスルが鳴った直後には審判に激しく詰め寄り、涙を流して悔しがったことが大きな話題となっている。

 また、この敗戦は別の事態を生み出していたようだ。

 決勝ゴールを決めたエリスのSNSに韓国人が大挙押しかけ、罵詈雑言の限りを浴びせたという。

 先取点を奪ったホンジュラスはその後、非常に狡猾に時間を使い韓国人を苛立たせた。そして、そのなかでも終了間際に負傷し、ピッチに長く横たわっていたエリスが標的になったのだ。

 これはホンジュラス国内でも取り上げられ、同国メディア『Diario Diez』は「アルベルト・エリスは、韓国人の人種差別的な侮辱を受けた」と伝えた。

 同記事はエリスのSNSに5000を超えるコメントが寄せられたこと、そのうちの半分が英語、残りが韓国語で、「ホンジュラスは独自の言語を持たない残念な国」「貧しい国だと理解しろ」というコメント、両親や同選手が黒人であることを侮辱する非常に攻撃的なもの等が含まれていたことを紹介した。

 そんなさなかの14日、当のエリスがインスタグラムを更新。そこには人差し指を口元に置き、「シー!」のポーズをとるエリスの姿があった。

💪🏾💪🏾👊🏾👊🏾

A photo posted by Alberth Elis 🔴🔵⚪️⚽️📚💪🏾 (@aelis17) on

 彼はこの投稿で言葉をつづらなかったが、強さと攻撃を強調する筋肉と拳の絵文字を付け加え、差別表現を含む韓国人の中傷に対し、「もう止めときな!」と暗に警告したのだった。

 中南米の選手は辛辣な批判に慣れているとはいえ、母親や肌の色まで侮辱され傷付いていたはず。それでも冷静かつ力強いメッセージを発したエリスは一枚も二枚も上手だった。

(記事提供:Qoly)

By Qoly

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