ペレ氏(左)とアトランタ五輪で聖火の点火を行った故アリ氏 [写真]=Getty Images
まもなく開幕するリオデジャネイロ・オリンピックの開会式において、元ブラジル代表のペレ氏の動向がにわかに注目を集めている。現在は杖を突きながらでないと歩行が難しいペレ氏は、聖火台への点火任務を引き受けるのか。
現在75歳になるペレ氏は、ブラジルサッカー界のみならずブラジルのスポーツ界を象徴するほどの人物であるため、当然ながら南米大陸初の五輪開催に伴い、各種セレモニーへの出席が期待される存在。だがペレ氏は昨年12月にニューヨークで腰矯正手術を受けてリハビリに専念。健康的な歩行は難しく、現在も杖を突いてやっと歩ける状態だという。このような近況から、ペレの担当医は「無理をさせないほうがいい」と警鐘を鳴らしている。
だがペレ自身は五輪の開会式への出席に前向きで、現在は杖を突かないで歩くリハビリまで行っているという。仮に杖を手放せないとしても、ペレ氏は開会式での聖火台点火に対してやる気をみせているそうだ。
今回のペレ氏に関する報道を受けて思い出されるのは、20年前に米国で行われたアトランタ五輪。当時54歳だった元プロボクサーのモハメド・アリ氏が、パーキンソン病で震えの止まらない手を懸命に制御して聖火台に点火したシーンは、世界中の感動を呼んだ。
20年前のデジャヴとなるかどうかはさておき、ペレ氏が杖を突きながらでも聖火台に点火するシーンがあれば、その姿はきっと世界中に感動をもたらすことだろう。
(記事/Cartao Amarelo)