5年前のアクシデントで脳に損傷を負ったヌーリ氏(2016年11月撮影) [写真]=Getty Images
アヤックスは21日、元U-19オランダ代表MFアブドゥルハーク・ヌーリ氏の家族に対し、785万ユーロ(約10億円)の賠償金を支払うことで合意したと発表した。
2017年7月、当時20歳だったヌーリ氏はブレーメンとのプレシーズンマッチ中にピッチ上で心停止を起こして病院に搬送。一命は取り留めたものの、結果として脳に深刻な損傷を残し、長期間にわたって昏睡状態が続いていた。現在は少しずつ快方に向かっているが、現役復帰は不可能と見られている。
ヌーリ氏にアクシデントが発生した際、ピッチ上でチームドクターによる適切な医療措置が行われていなかったことが重症化につながったとして、家族はクラブを提訴。アヤックスは過失を全面的に認め、家族との協議を続けていた。
両者はついに785万ユーロの賠償金で合意。また、アヤックスは2017年夏以降、ヌーリ氏の看護・介護に発生する費用を弁済しており、今後も継続する予定だという。
アヤックスのエドウィン・ファン・デル・サールCEO(最高経営責任者)は、クラブ公式サイトを通じて次のようにコメントしている。
「この問題を解決するために合意に達したのは良いことです。アブドゥルハークと彼の愛する人たちの苦しみが終わったわけではないことは、私たち全員が認識しており、私たちアヤックスもそう思っています。ご家族が日夜、愛情たっぷりに彼をケアしている姿に、私たちはとても感謝しています。私が彼を訪ねると、いつもご家族が快く迎えてくれる。それは、他のアヤックスの仲間も同様で、大変感謝しています」
また、ヌーリ氏の父モハメド・ヌーリ氏は次のようにコメントした。
「アブドゥルハークが恐ろしい運命に見舞われてから、この夏で5年になります。この数年間は、彼の看病が中心でした。彼の世話にかかりっきりで大変なこともありましたが、私たちにとって有意義なこともたくさんありました。特に、多くの人にとってアブドゥルハークが一体感や兄弟愛を体現している存在であることを実感しました。それは、とても心強い思いです」
「また、アヤックスの関与とコミットメントも、この数年、非常に重要なものとなっています。アブドゥルハークが幼い頃から、アヤックスは私たちの生活と切っても切り離せない存在でした。クラブ内の人たちとの絆も、忠実なサポーターたちとの絆も、私たちは大切にしています。責任とその結果についての議論が過去のものとなり、ともに前を向くことができるのは良いことです」
By サッカーキング編集部
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