“アズーリ”デビューから2戦連発…異色の新星FWレテギを指揮官も称賛「彼は純粋な点取り屋」

　EURO2024予選・グループC第2節が26日に行われ、イタリア代表がマルタ代表を2－0で下した。試合後、イタリアサッカー連盟（FIGC）の公式HPが同国代表を率いるロベルト・マンチーニ監督のコメントを伝えた。

　試合は序盤の15分、サンドロ・トナーリ（ミラン）の放った左コーナーキックからマテオ・レテギ（クルブ・アトレティコ・ティグレ／アルゼンチン）がヘディングシュートを沈める。続く27分には左サイドを駆け上がったエメルソン・パルミエリ（ウェストハム／イングランド）の折り返しをマッテオ・ペッシーナ（モンツァ）が決めてリードを広げた。マルタ代表を相手に反撃の隙を見せず、試合はこのまま2－0でイタリア代表の勝利に終わっている。

　この試合、特に注目を集めたのが彗星の如く現れたストライカーのレテギだ。3月のインターナショナルマッチウィークが初招集となったレテギは、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスのサン・フェルナンドで生まれた。サッカー選手としてだけでなくフィールドホッケー選手としてもプレーしていた経験がある23歳のストライカーは、アルゼンチン一筋でプレーしながらもイタリア国籍も保持しており、晴れて“アズーリ”に名を連ねた経歴の持ち主だ。名門ボカ・ジュニオルスからレンタル移籍したティグレでその才能を開花させ、2023シーズンは公式戦9試合の出場で6ゴールと得点を量産。現在はリーグの得点ランキングでトップを走っている。

　そんなレテギは23日に行われたEURO2024予選・グループC第1節のイングランド代表戦で鮮烈な“アズーリ”デビューを飾る。2点ビハインドで迎えた後半、ペナルティエリア右でロレンツォ・ペッレグリーニ（ローマ）からのパスを引き出し、右足で1点を返したのだ。続くマルタ代表との一戦でも得点を挙げ、レテギはデビューから2戦連発。ヨーロッパでの経験が皆無であるにもかかわらず、異なる環境でも研ぎ澄まされた得点能力を発揮して見せた。

　マンチーニ監督はレテギについて「彼は純粋な点取り屋、ストライカーだ。センターフォワードにとってもっとも重要な特徴である、『ゴールを決めること』に長けている」と賛辞を贈った。「彼はスムーズに試合に入り、求められる基本的なプレーを見せてくれた」と称賛しつつも、「彼にはまだ時間が必要だ。これからヨーロッパのサッカーをよく知っていく必要がある」と発展途上であることも認めている。

　イタリア代表のユニフォームを身に纏い、自身の強みをピッチ上で遺憾無く発揮したレテギ。イタリア代表のストライカーとしてここから着実に成長を遂げるのか、レテギの今後にも注目だ。