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【コラム】カルチョの国で激化する残留争い…クロトーネが見せるセリエAへの執念

サポーターと勝利を喜び合うクロトーネの選手たち [写真]=Getty Images

 ヨーロッパ・リーグ出場権を巡って、毎節ごとに順位が微妙に変わる争いが続いている。しかし第33節では、下位の4チームのセリエA残留をかけたそれぞれの試合について注目してみたい。

 まず、筆者が実際に取材した17位エンポリとACミランのゲームからお伝えしよう。勝ち点26のエンポリは第30節のローマ戦で負けた後、勝ち点を取り続けている。第31節の”残留争い”のペスカーラ戦では1-1で引き分けた。続く第32節ではトスカーナ・ダービーとなったフィオレンティーナを相手に、何とアウェイで勝利を収める。これが自信となっていたのか、ミラノでも2点を先制して連勝した。ヴィオラとミラン相手に2勝というのは、今シーズンのエンポリの中でも最高のパフォーマンスだろう。ミランが放ったシュートは実に29本(枠内12本)と、今シーズンのミランの試合で最多本数だった。FWホアキン・スソが9本でトップ。しかしこの試合では、ミランはまさにゴールとツキに見放されていた。

 後半14分、そのスソのPKをエンポリのGKルーカス・スコルプスキが見事に弾いた。押し込まれようとしたこぼれ球もセーブ。これでスコルプスキは今シーズン、4本のPKを止めたことになる。ちなみに1シーズンで6本のPKをセーブしたのが、2010-11シーズンのインテルのGKサミール・ハンダノヴィッチだ。スコルプスキのコメントは「自分の仕事だから」というのが、またかっこいい。

 試合後、エンポリのジョヴァンニ・マルトゥシェッロ監督は「偉大な試合をした。苦しんだし、試合終了のホイッスルがなるまで精神的にも体力的にもエネルギーを使い果たした」と苦労を語った。これで勝ち点29にし、16位トリノと1ポイント差、18位クロトーネに5ポイント差をつけた。今後は今シーズン絶好調のアタランタとの対戦が控えている。

 そしてクロトーネはクラブ史上初のセリエAを1年の夢で終わらせないため、必死のラスト・スパートを続けている。ここ4試合で3勝1分けで勝ち点10をものにした。第31節にホームでインテルから挙げた勝ち星も重要だった。第33節のアウェイでのサンプドリア戦では、先制されながらも粘って逆転勝利だ。サンプのマルコ・ジャンパオロ監督も、素直に負けを認めた。「2チームの違いは彼らに”ガソリン”があった点だ。クロトーネは勝利に値していた。なぜなら”怒り”があったからだ」と、メンタル面でクロトーネの方が勝っていたと指摘した。

 今後の相手はミラン、ユヴェントスに最終節でのラツィオ、そして最下位のペスカーラとの残留直接対決も残っている。最後の力を振り絞ってセリエB降格を免れられるか。19位のパレルモは16ポイント、20位のペスカーラは14ポイントと、残留はほぼ奇跡となってしまった。

取材・文=赤星敬子

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