ユヴェントスの新布陣で起用されている(左から)ピアニッチ、マンジュキッチ、ディバラ、イグアイン、クアドラード、ケディラ [写真]=Getty Images
セリエA第22節では2位のローマがサンプドリアに敗れ、3位のナポリも下位のパレルモにドローを演じる中、ユヴェントスがサッスオーロ相手に快勝し首位を守っている。この試合でも前節のラツィオ戦から用いている、今シーズン7パターン目のフォーメーション、超攻撃的な4-2-3-1で危なげのない試合展開だった。マッシミリアーノ・アッレグリ監督の意図するところが、きっちりと選手たちに伝わっているのが証明された。
ユヴェントスはセリエAだけでなくコッパ・イタリアでもベスト4に勝ち残り、またチャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメントも再開される。そんな多くの試合をこなさなければならない同監督が、ケガ人や故障者という理由ではなく新しいフォーメーションを試すとは余裕さえうかがえる。
その7つ目のフォーメーションを見てみよう。1月22日のラツィオ戦から導入したのは、ワントップにゴンサロ・イグアイン、2列目に(右から)フアン・クアドラード、パウロ・ディバラ、マリオ・マンジュキッチを置き、その下にサミ・ケディラとミラレム・ピアニッチを配置するというもの。「レベルの高い全ての攻撃的選手をちりばめた」といっていいこの布陣は、他のチームからしたら羨ましすぎるに違いない。ピアニッチによると、アッレグリ監督からの指示は「ポジションをキープし、あまり上がりすぎないようにすること」だったという。15得点を決めているイグアインはサッスオーロ戦後、次のようにコメントした。「落ち着いてこのやり方を習得していかなければならない。このフォーメーションで今日ただ一つやり残したのは、(3点目で)ゲームを決定づけることだけだった」と自信をもっている。

好調を維持するイグアイン(左)とマンジュキッチ(右) [写真]=Getty Images
シーズン開幕当初はディバラとマンジュキッチの2トップで3-5-2、10月15日の第8節ウディネーゼ戦では2トップをそのままにしながらも4バックに修正した4-4-2とした。そしてクアドラード、イグアイン、マンジュキッチの3人のFWを投入したのが第12節のキエーヴォ戦。11月のCLのリヨン戦では、ピアニッチをトップ下に据えた4-3-1-2で臨んだ。そしてディナモ・ザグレブ戦は3-4-1-2だった。また、2017年最初のゲームでは、アルベロ・ディ・ナターレ(クリスマスツリー)型と呼ばれる4-3-2-1でボローニャに3-0と快勝した。
試合数が1試合少ないながらも勝ち点51で2位ローマに4ポイント差をつけているユヴェントス。このまま危なげなくスクデット獲得を果たすのか。7連勝中の4位インテル(勝ち点42)をはじめとする上位のチームの奮起に期待したいところだ。
文=赤星敬子