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【コラム】指揮官交代後も低迷続くインテル…1月のメルカート戦略が後半戦のカギに

2016.12.06

今季途中からピオリ監督が指揮を執るインテルだが、なかなか不調を抜け出せずにいる [写真]=Getty Images

 ステファノ・ピオリ監督が就任したインテルだが、ヨーロッパリーグ(EL)を含む公式戦4試合で10失点とディフェンス面の弱さを露呈している。決勝トーナメント進出のわずかな望みをもってプレーしたELのハポエル・ベア・シェバ(イスラエル)戦でも、まさかの敗戦を喫し、ヨーロッパの舞台から姿を消す羽目になってしまった。セリエAでも10位と、ピオリ監督になってからチームが大改革された様子はない。

 そんななか、新しくオーナーとなった中国人実業家、蘇寧グループの幹部が、よくサン・シーロ・スタジアムに姿を見せているのは、チームの現状視察だけでないようだ。すでに1月のメルカート解禁期に向けて戦略を練り始めている。

 ELで決勝トーナメント進出を逸したことで、放映権料など、あてにしていた1500万ユーロ(約18億円)から2000万ユーロ(約24億円)が消えてしまった。そんな理由もあり、1月の”人員整理”が必要となってくるのだ。

 余剰人員として名前が出ているのが、イタリア人DFダヴィデ・サントンだ。日本代表DF長友佑都と同じサイドバックだが、今シーズンは出場機会が少ない。センターバックはほぼ固定されているが、サイドバックの4人はいずれも右利きということで、放出かレンタルに出して利き足が左というプレーヤーが必要になってくるかもしれない。そして、ブラジル人MFフェリペ・メロ。2015年夏に当時のロベルト・マンチーニ監督の強い希望でガラタサライから移籍したものの、プレーの回数は減るばかりだ。

 攻撃陣の最大の謎となっているのが、“ガビゴル”ことブラジル代表FWガブリエウ・バルボーザだ。夏のメルカート終了ギリギリに移籍金2950万ユーロ(約35億4000万円)で加入したものの、ゴールはボローニャ戦での1点のみ。最近ではピッチでウオーミングアップする姿も見られなくなった。また背番号10のモンテネグロ代表FWステヴァン・ヨヴェティッチに至っては、0ゴールだ。得点はアルゼンチン人FWマウロ・イカルディ頼みというインテルには、クロアチア代表MFイヴァン・ペリシッチ、イタリア代表MFアントニオ・カンドレーヴァと絡める選手が必要だろう。

 いずれにせよ、クラブの目標はチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得すること。だが、現状ではかなり厳しいと言い切れる。すでに首位ユヴェントスの勝ち点差は15、CL出場圏内の3位ミランとは同11と、大きく水をあけられている。フランク・デ・ブール前監督が言っていたように「時間がない中で早急なチーム作りは困難」という現実が、再びインテルを苦しめている。

文=赤星敬子

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