2016.11.16

【コラム】平均年齢25歳5カ月…若返ったミランに黄金時代は訪れるのか

ミラン
18歳のロカテッリ(中央)など、若手の活躍が目立つ今シーズンのミラン [写真]=Getty Images
イタリア・ジャーナリスト協会会員。ミラノ在住。

 ミランの今年の特徴は、例年にもまして10代後半から20代前半の選手が主力となってチームを引っ張っていることだ。昨年、シニシャ・ミハイロヴィッチ監督(現トリノ監督)が発掘したGKジャンルイジ・ドンナルンマ(17歳)は堂々としたプレーぶりでミランのゴールマウスを守っている。いずれはGKジャンルイジ・ブッフォン(ユヴェントス)の後を継ぐイタリア代表の守護神となるのではないか、と期待されている。

 また第二のアンドレア・ピルロ(ニューヨーク・シティFC)との呼び声高いMFマヌエル・ロカテッリ(18歳)は、ユヴェントス戦のゴールで脚光を浴びた。MFリッカルド・モントリーヴォの故障もあり、出場機会が増えそうだ。DFアレッシオ・ロマニョーリ(21歳)もレギュラーポジションを手中にしており、同じDFのマッティア・デ・シリオも24歳になったばかり。攻撃陣では、やや調子に波があるもののFWエムバイェ・ニアン(21歳)の得点力がミランの順位を左右する。また、スソ(23歳)は右サイドの定位置を確保し、今シーズンは出場機会に恵まれていないが、DFダヴィデ・カラブリア(19歳)も、成長株の一人だ。

 ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督はこれらの若手を積極的に起用し、3位をキープしている。選手の平均年齢は25歳5カ月とセリエAのクラブで2番目の若さだ。ミランは戦後から1980年代後半までこそ平均年齢25歳代をキープしていたが、徐々に高齢化が進んだ。ピークの2010-11シーズンには31歳8カ月まで上がったことがある(※1)。

 そんな今シーズンのミランを支えるこれら7選手は、推定移籍金6000万ユーロ(約69億円)のドンナルンマを筆頭に、移籍金額の合計が2億2000万ユーロ(約253億円)にも上ると言われている(※2)。残念ながら今シーズンはヨーロッパの大会に出場できないが、そのおかげで監督も選手たちもセリエAだけに集中していられる。そのうちのロカテッリは、アタランタのスカウトが見つけた逸材だった。その下部組織から移籍する際、実はインテルも目をつけていたそうだ。だが“ミラノ・ダービーに勝った”のはミランだった。

 ミランの黄金時代の幕開けとなった1985-86シーズン、キャプテンのフランコ・バレージは25歳だった。まだ若きパオロ・マルディーニらがいた。もちろんベテランと若手の競合がチームに結果をもたらすだろう。春以降の上位争い、つまり「3位以内に入れるかどうか」となってきた頃に戦い抜くメンタル面での強さを、若手でも身につけていてほしいものだ。

文=赤星敬子

※1 10月21日付ガゼッタ・デッロ・スポルト紙より。
※2 10月24日付コリエレ・デッロ・スポルト紙調べ。ロカテッリとニアンがそれぞれ2500万ユーロ、カラブリア1000万ユーロ、ロマニョーリ5500万ユーロ、デ・シリオ2500万ユーロ、スソ2000万ユーロ。

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