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【コラム】新指揮官は誰に? インテル、デ・ブール監督解任へのカウントダウン開始

2016.11.01

インテルはデ・ブール監督解任へと動いているようだ [写真]=Inter via Getty Images

 ついにインテル幹部が腰を上げ、フランク・デ・ブール監督の解任と新監督探しへ本格的に動き出した。

 きっかけは10月30日に行われたセリエA第11節のサンプドリア戦だった。この試合を1-0で落としたインテルは、ローマ戦、アタランタ戦、そしてサンプドリア戦のアウェー3連敗という最悪の結果となってしまった。セリエAだけで見ると、4勝5敗2分で11位。来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権獲得となる3位以内どころか、2ケタ順位から抜け出せずにもがき苦しんでいる。それらはすべてデ・ブール監督の責任なのだろうか。

 データで見てみると、11節までのトータルでインテルは14得点を挙げている。そのうちの半分を占める7ゴールはアルゼンチン人FWマウロ・イカルディが決めた。つまり得点力ではイカルディ頼みと言ってもいいかもしれない。第10節、トリノ戦の2得点もイカルディだった。そしてサンプドリア戦では不発のイカルディ、ゲームメイクの役割を与えられたアルゼンチン代表MFエベル・バネガのコンディションがベストではなく、試合の主導権を握ることができなかった。またポルトガル代表MFジョアン・マリオのポジショニングも正しかったとは言えない。

 31日付けのイタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、イタリア代表FWエデルはドリブルでの突破を6度試し、4度成功。加えて4本のクロスを上げるなど気を吐いた。また、ボール支配率ではインテルが56.4パーセント、パス成功率(本数)でもインテルが83.1パーセント(509本)で、サンプドリアの77.9パーセント(417本)を上回っていたのだが、結果は惜敗。マイナス面はルーズ・パスの数に現われており、J・マリオが12本、バネガが10本だった。

 苦しんだ末に劇的勝利を収めた前節のトリノ戦後、日本代表DF長友佑都は次のようにコメントした。「(その前のアタランタ戦では)前と後ろの選手の意思疎通ができていなかった。トリノ戦の前までに修正して、みんなで行く時は行って、下がって守る時は守るという意思疎通がしっかりとれていた」。サンプドリア戦ではベンチでゲームを見守った長友だったが、1試合ごとにアップダウンするチームの状況をどのように見ているのだろうか。「けっこういい試合をしていても、結果がついてこないこともある」と、セリエA経験値のあるコメントを残した。

 “結果がついてこない”責任を取るのは、最終的にチームを率いる指導者となる。公式に解任が発表されるまでのカウントダウンが始まった。だがフロントは未だ同監督と直接の話し合いはしておらず、オーナーの中国人首脳陣からの回答を待っている状態だという(イタリア時間10月31日20時時点)。いずれにせよ遅くても6日のセリエA第12節クロトーネ戦後に迎えるインターナショナル・マッチ・ウィークの間に新監督がチームの立て直しを図ることが濃厚だ。

文=赤星敬子

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