2016.10.25

【コラム】「神様の寵愛を受ける運命」 ミランの新星、18歳MFロカテッリとは?

ロカテッリ
ユヴェントス戦で鮮烈なゴールを挙げたミランMFロカテッリ [写真]=NurPhoto via Getty Images
イタリア・ジャーナリスト協会会員。ミラノ在住。

 久しぶりに観衆7万5829人で埋まり、サン・シーロ・スタジアムの熱気が最高潮に達した22日のミラン対ユヴェントス。主役は決勝ゴールを決めた18歳のミランMFマヌエル・ロカテッリだった。65分、スソからのパスを左足でワンタッチ。そして狙いすましたかのように思い切って右足で蹴ったボールは、クロスバーの下を叩いてネットを揺らした。

 セリエA8試合出場で2得点目。初得点を挙げた2日のサッスオーロ戦ではうれし涙で目を真っ赤にしたが、今回は満面の笑顔でチームメイトの手荒い祝福を受けた。ベンチのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は緊迫したゲーム展開の中、このゴールデン・ボーイの千金弾にふっと息を吐きだし、信じられないというように顔を左右に振った。

 このロカテッリとは、どんな選手なのだろうか。

 1998年1月8日にイタリア北部、コモ湖の北側にあるレッコという街の近郊ペスカーテで生まれたロカテッリは、湖の見える砂地のサッカー場でボールを蹴り始める。目を付けたのは、少年・若手育成に定評のあるアタランタのスカウト、パオロ・ロタ氏だった。時は10年以上前にさかのぼる。「U-8の試合で見たんだが、衝撃を受けた。彼はサッカーの神様の寵愛を受ける運命だと信じている。スピードがあり、すばしっこかった。アタランタ入りを父親と話していると、我々をじっと見ていた。『うれしいかい?』と訊くと、『うん、うん、すごくうれしい』と答えたよ」と当時を振り返った。

 このペスカーテは人口2200人という小さな街だが、ロカテッリとロベルト・タヴォラ(元ユヴェントス)という2人のセリエA選手を生み出したのが誇りだ。ロカテッリの家族は敬虔(けいけん)なカトリック教徒で、上層部からの使命を受けアフリカへ行ったことがある。ロカテッリもアフリカの子供たちに囲まれている写真をフェイスブックにアップしている。

 そして2009年からミランの下部組織に移籍。現在はミランの寮で生活している。ユヴェントス戦をイタリア代表のジャンピエロ・ヴェントゥーラ監督が観戦していたことで、早くも「A代表候補か?」とざわめくメディアに対し、同監督は「素晴らしい選手だが、まだまだ若く時間を与えて見守る必要がある」と、じっくりと成長を待つ構えだ。

 そのプレースタイルは元イタリア代表でミランでも活躍したMFアンドレア・ピルロ(ニューヨーク・シティFC)や、デメトリオ・アルベルティーニ氏に似ていると言われる。アルベルティーニ氏は「そうかもしれない。我々は同じブリアンツァ地方の出身だしね。彼の、恐れずシュートを打っていく姿勢が好きだ。サイドハーフもできるはずだよ」と評価している。

 昨シーズン、16歳でデビューを果たしたイタリア代表GKジャンルイジ・ドンナルンマに続く新星ロカテッリの登場、そして単独2位キープ。「チャンピオンズリーグ出場へ」と、ミラニスタの期待は高まるばかりだ。

文=赤星敬子

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