2016.05.14

CL出場権を逃しバラバラになるインテル…クラブ再建のリーダーは長友が適任か

長友佑都
インテルで7年目のシーズンを迎えることが濃厚な長友佑都 [写真]=Getty Images
イタリア・ジャーナリスト協会会員。ミラノ在住。

 チャンピオンズリーグ(CL)出場がヨーロッパのクラブにとって大きな意味を持つ。イタリアでは上位3チーム(3位は予備戦から)にその枠がある。今シーズン、スタートダッシュに成功したものの結果的に4位が決定したインテルは、7日のエンポリ戦を2-1の勝利で飾りながらも落胆を隠せなかった。ここで3位との立場が天と地ほど違うインテルの内情が見えてきた。選手たちの気持ちは最後にバラバラに砕けていた。

 エンポリ戦後のインタビューではモンテネグロ代表FWステヴァン・ヨヴェティッチが、チームへの怒りを爆発させた。「インテルに移籍してきて、最初は幸せだった。でも2カ月後には外された。どうすればよかったんだ? ベンチからゴールを決めろとでも? 常にプレーするためここにやってきた。リザーブでいるためではない」と吐き捨てた。ロベルト・マンチーニ監督への批判にも取れ、クラブは罰金を科す可能性もある。ヨヴェティッチの今シーズンは25試合出場6得点と、シーズン開幕当初の期待度からはほど遠い結果だった。

ステヴァン・ヨヴェティッチ

試合後に不満を吐露したヨヴェティッチ(中央) [写真]=Inter via Getty Images

 また、スロヴェニア代表GKサミール・ハンダノヴィッチも、目標のCL出場を果たせず「残念だ。今後、私の選択がどうなるか現時点ではわからない」と移籍も視野に入れたコメントをした。こうしたクラブへのリスペクトを欠いた発言に、エリック・トヒル会長は「インテルのユニフォームを着る重要性を知る者だけがチームに残れ」と憤った。

サミール・ハンダノヴィッチ

移籍を示唆したハンダノヴィッチ [写真]=Inter via Getty Images

 エンポリ戦は今シーズンの本拠地サン・シーロでの最後のゲームだった。試合後、クルヴァ席のサポーターにあいさつに行った選手は日本代表DF長友佑都ら3、4人とわずか。あとの選手はそそくさとグランドから去っていった。信じられない光景だった。長友は「もっといい試合をしたかった悔しさでああなった。4位? 正直喜べない」と素直な胸の内を明かした。3位獲得にわずかな望みをつないでいた第36節のラツィオ戦で「一人一人のモチベーションが切れてしまった。ロッカールーム、練習もいつもの雰囲気ではなかった」と複雑な表情を見せた。

マウロ・イカルディ

イカルディは今季から新主将に就任したが、役割を果たし切れたかには疑問符がつく [写真]=Inter via Getty Images

 スクデットを狙える立場にいたインテルは年が明けてスローダウンした。カメレオンと呼ばれた監督のターンオーバー制のシステムが、数選手のやる気を削いだ部分もあったかもしれない。またキャプテンシーを発揮できるリーダーシップのあるプレーヤーがいないのも一因だ。インテルの5年連続スクデット、その中のCL、コッパ・イタリア制覇の3冠を果たした黄金時代にはハビエル・サネッティ副会長がいた。現在の23歳のFWマウロ・イカルディは、まだインテルのカピターノの器ではない。サネッティ副会長にはほど遠いが、在歴が長くムードメーカーになれる長友に主将を任せてみるのも一つの手ではないだろうか。長友に質問すると「今のインテルなら誰でもできるレベルの選手がいる」。それはつまり突出したリーダーシップのある人材がいないという意味だ。インテル再生には次シーズン、長友のような熱いハートを持ったプレーヤーが絶対的に必要だ。

長友佑都

陽気な長友は主将に相応しいという声もある [写真]=Inter via Getty Images

文=赤星敬子

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