2015.10.17

16年ぶりのセリエA単独首位…フィオレンティーナの強さの秘密は?

フィオレンティーナ
首位に立つフィオレンティーナ。第8節ではナポリと対戦する [写真]=Getty Images
イタリア・ジャーナリスト協会会員。ミラノ在住。

 フィオレンティーナが単独首位に立った。第7節では、勝ち点15で並んでいたインテルがサンプドリアに引き分け勝ち点1でストップしたのに対し、フィオレンティーナはアタランタ相手に3-0というスコアでトップに立った。それは1999年2月、ジョバンニ・トラパットーニ氏がフィオレンティーナを率いていた時以来16年ぶり。チームの主砲ガブリエル・バティストゥータが左ひざを負傷し、エドムンドが故郷、リオのカーニバルのため勝手にブラジルに帰ってしまったというエピソードがあった時だった。



 話を今シーズンに戻そう。しかし、チーム力の差は第6節の1位、2位の直接対決、インテル対フィオレンティーナで出ていたように思える。それまでのインテル5連勝にどうも納得のいかなかった理由が、試合観戦していてわかったからだ。生で見たフィオレンティーナからは、新鮮な感動を受けた。それはうれしいサプライズだった。とにかく全員が走る、ボールがよく回りよくつながる、見ていてこんなに面白いサッカーをやるチームは久しぶりだ。『これが5連勝のインテルか?』と問わずにはいられないレベルの開きがあった。ボール支配率はインテル31.2%、ヴィオラ68.8%と差は明らか。1-4の結果がその凄さを示していた。

 続くヨーロッパ・リーグではベレネンセス(ポルトガル)戦もアウェーで4-0と快勝する。ここもジュゼッペ・ロッシが昨年5月以来、501日ぶりの公式戦ゴールを挙げ、チームの勝利に華を添えた。ここ3試合で10得点1失点と絶好調のフィオレンティーナ。超ド級の選手がいないのに、どうしてここまで調子を維持して、現在のセリエAを引っ張る存在にまでなったのか。

 カギはパウロ・ソウザ監督、新星ニコラ・カリニッチの存在や全員サッカーだ。ソウザ監督は3日間に一試合というスケジュールでもうまく選手を使い分け、勝利で締めくくった。彼のモットーは「ビッグクラブの一員としての行動、アグレッシブに行くこと、チームメイトのために全員が全力で義務を果たすこと」だという。監督としてはU-16ポルトガル代表やプレミアリーグ、スイスなどのクラブでの経験が約10年で、フィオレンティーナと共に大きく成長できる可能性がある。

 またマリオ・ゴメスの後釜を探していたクラブに、同監督が推薦したのがドニプロにいた27歳のクロアチア人FWカリニッチだ。年俸50万ユーロ(約6800万円)と、お得な買い物をした。すでに4得点を決めており、背番号9にふさわしいシーズンとなるだろう。スーパースターがいなくても、全員サッカーで首位をつかんだフィオレンティーナ。ソウザ監督は「あった卵でオムレツをつくっただけ」と謙遜する。また「我々より強いチームはある。しかし私たちには、フィレンツェの街とサポーターが我々を後押ししてくれる強みがある」とサポーターが嬉し泣きしそうなコメントも。アタランタ戦のスタジアムにはヴィオラ・ファンのこんな横断幕があった。「お願いだ。夢から覚めさせないでくれ」。

文=赤星敬子

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