6月からサンプドリアを率いるゼンガ [写真]=Getty Images
文=赤星敬子
メルカートも動き出し、クラブのプレシーズンマッチの結果や選手たちの仕上がり具合も気になる時期になってきた。しかし驚いたのは、セリエAの中で一番早く公式戦のヨーロッパリーグ予備戦に登場したサンプドリアが、ホームでまさかの大敗を喫したのだ。
7月30日に行われた予選3回戦ファーストレグでボイボディナ(セルビア)に0-4で敗れた。6日にセカンドレグとなるアウェーでの試合に臨むが、4点差をひっくり返すのはほぼ奇跡に近いと言っていいだろう。
試合後、6月4日からサンプドリアを率いているヴァルテル・ゼンガ監督は「全て私の責任だ」とサポーターに謝罪。メンバーを見ると、昨シーズンとそこまで選手が入れ替わったような印象がないので、やはり指揮官の力量不足が大半を占める。このスコアに激怒したのが、マッシモ・フェレーロ会長だ。いつも派手なパフォーマンスで人々の注目を浴びるのが好きな人物なのだが、その分“恥をかかされた”という思いが強いのは当たり前なのかもしれない。
もしセリエA開幕前にゼンガ監督がクビとなったら、近年稀にみるスピード解任となる。2011年8月31日にパレルモをクビになったのがステファノ・ピオリ現ラツィオ監督だった。また2010年8月29日には、当時のボローニャ監督だったフランコ・コロンバ氏が解雇となっていた。しかし8月末のセリエA開幕直前のことで、8月上旬という早い時期では珍しい。
すでにフェレーロ会長は後任のリサーチに取り掛かっており、元フィオレンティーナのヴィンチェンツォ・モンテッラ氏を強く希望しているという。もしくはキエーヴォ、ジェノアなどを率いたジジ・デル・ネーリ氏、またローマやゼニト・サンクトペテルブルク(ロシア)などの監督だったルチアーノ・スパレッティ氏の名前が挙がっているようだ。
ただモンテッラ氏は、フィオレンティーナの監督職を解任されたものの、2017年まで契約が残っており、金銭面でややこしい話になりそうだ。本人も出身地であるナポリの監督になりたがっていると言われている。そうでなくても、フィオレンティーナよりも1ランク上のクラブへステップアップし、欧州カップ戦などで采配したいという意向があるのではないだろうか。
デル・ネーリ氏やスパレッティ氏の方が契約までスムーズに行くだろう。ただ、フェレーロ会長は華のある存在を求めているようにも感じられる。だからイタリアを代表するGKだったゼンガ監督にチームを委ねたのだ。ゼンガ監督はレッドスター・ベオグラードでの優勝や中東のクラブを率いた経験がある。ただイタリア国内では、2008年にカターニャを残留させた成績ぐらいしか、目立ったものはない。おそらくヨーロッパレベルの指導者としての経験は足りなかったのだろう。同会長が早く手をうち、次にサンプドリアのベンチには誰を座らせるのか。決断の時は来ている。