2015.07.21

サッカー界での中国バブルはイタリアも…現地広報活動に勤しむインテル

長友佑都
上海でトレーニングを重ねる長友 [写真]=Getty Images
イタリア・ジャーナリスト協会会員。ミラノ在住。

文=赤星敬子

 日本だけではなく、イタリアも中国からの観光客が大幅に増えた。ミラノの高級ショッピング街、モンチナポレオーネ通りでは日本のバブル時代を思いおこさせるような、ブランドショップの紙袋を大量に下げた中国人の若者が歩いている。そして、この中国パワーはイタリアのサッカー界にも影響している。

 去年の初夏、アメリカとカナダで欧州の強豪チームが参加したプレシーズンマッチが今年は中国で行われる。イタリアからはミランとインテルが、この「インターナショナル・チャンピオンズ・カップ」に参加する。まずインテルが他チームより先に中国・上海入り。大会に先駆けて21日、上海のバイエルンと親善試合を行う。18日に上海に到着した選手や関係者を待ち受けていたのは、ネッロアズッロのユニフォームを着て横断幕を掲げた中国人サポーターたちだった。クラブの宿泊するホテルにも多くの熱烈な中国人ファンが駆けつけたという。そして「Chi non salta rossonero e’! e’! (赤と黒ではないヤツはジャンプしろ)」のおなじみのコールを連呼し、盛り上がったようだ。

 ICCでは25日に深せん市でミランと対戦し、27日には広州でレアル・マドリードと試合をする。それ以外にもロベルト・マンチーニ監督と選手たちには日々、各地で行われるスポンサー絡みのイベントが待ち受けている。テストマッチだけでなく、インテルというクラブのブランドを中国に広めるために重大な意味を持つ遠征なのだ。ある新聞の報道によると、経済効果は350万ユーロ(約4億7300万円)にも上るという。

 そのイベントとは上海のインテルのファンクラブ、インテルキャンパスでの選手たちのサイン会や、約20年間クラブのスポンサーであるタイヤメーカー、ピレリ社の写真展でのオープニング・パーティーへ出席、インテルのシンボルであるハビエル・サネッティ副会長の自伝本の中国版出版記念会、そしてインテルの公式スーツを手がけるブルックス・ブラザーズの上海店での選手のお披露目などと盛りだくさんだ。インドネシアからエリック・トヒル会長も駆けつけ、新しいインテルを中国で大々的にアピールする。

 確かにここ数年、インテルはインドネシアなどの東南アジア、そして中国をターゲットに市場を拡大しようと猛烈に動いていた。サン・シーロ・スタジアムにもバックスタンドの1階席に毎試合、中国語の横断幕が掲げられる。一度、インテルの関係者に「どうして長友佑都が所属している利点を活かして、日本のスポンサー獲得に励まないのか。もったいない」と問いかけたことがある。すると彼の話では何度も日本企業に話を持ちかけたが、結果的にはうまくまとまらなかったそうだ。今回のプレシーズンマッチも日本が候補地に上がっていたが、中国という大国の市場にはかなわなかった。もはや日本は蚊帳の外なのか。中国マネーに押される一方なのが残念だ。

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