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HSV伊藤達哉、“奇跡の残留”に希望つなぐ2ゴール演出「恩返しできて良かった」

2ゴール演出で勝利に貢献したHSVの伊藤達哉(右)[写真]=Bongarts/Getty Images

 ハンブルガーSV(HSV)が“奇跡の残留”に希望をつないだ。その立役者となったのは、20歳のFW伊藤達哉だった。降格圏の17位に沈むHSVは、28日に行われたブンデスリーガ第32節で、14位のヴォルフスブルクに3-1で勝利。残留争いの直接対決を制し、今節16位に後退したヴォルフスブルクとの勝ち点差は「2」となり、逆転残留に一歩前進した。

 圧巻の活躍だった。先発出場した伊藤は、41分にエリア内で仕掛けてPKを獲得し、アメリカ代表FWボビー・ウッドの先制点をお膳立て。その後もキレのあるドリブルで相手守備陣を翻弄すると、前半アディショナルタイム1分には精確な鋭いクロスでドイツ人MFルイス・ホルトビーの追加点をアシストし、2点に絡む活躍を披露した。これには主将のDF酒井高徳も賛辞を贈る。「頼もしいですね。うちのチームの武器だと思うし、自信を持ってプレーしているので、非常にいいと思います」。

 だが、伊藤自身は至って冷静だった。待ち構える記者陣から最初の質問が飛ぶと、持っていた水を一口飲み、自身のペースで話し出す。「とりあえず今は内容より勝ちが大事なのは百も承知なので、自分としてもいかにいい形で突破するかより、自分のところから1点でも作り出せたらいいなと思っていました。それが結果につながったのは良かったです」。

 トップチームで公式戦初のアシスト記録となった。嬉しい第一歩のはずだが、本人は「別に初めてって感じではないです」と変わらず落ち着いている。その理由は7日に行われた第29節シャルケ戦にある。同試合で伊藤は左サイドから得意のドリブルで2人を抜き去り、チームの2点目につながったチャンスを創出。しかし、折り返しに合わせたホルトビーは一度セーブされたセカンドボールを自ら押し込んだため、記録では伊藤のアシストはつかなかった。この“実質アシスト”を振り返り、「僕の中ではシャルケ戦もアシストしている。あれをカウントされなかったらちょっと困るんで(笑)」と笑顔を見せた。

 それでも、2ゴール演出に変わりはなく、U-21チームのときから指導を受けるクリスチャン・ティッツ監督の期待に明確な結果で応えることができた。「僕はセカンドチームの時から、この監督の時は戦術の大事な部分を担わせてもらっている実感があるので、自分がのびのびプレーすることがチームにとっていいと最近思っています。今日は結果でチームに恩返しできて良かったです」。

 勝利の立役者となったものの、「ハーフタイムにちょっと落ち着いたときに、2-0で勝っていることが、逆に体を重くした部分がある」と反省も忘れない。「追われる立場になった試合状況が、自分をちょっと萎縮させてしまったので、そこは学ばないといけない。今日の後半は自分の中でだいぶ課題が残った感じで、苦しい時間帯に体を張って守備ができなかった」。活躍した試合の中でも貪欲に課題を挙げる伊藤。育ち盛りの20歳が残りの2試合でも降格危機のHSVを救うキーマンとなりそうだ。

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