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PK獲得もキッカー譲った原口元気「10回は『俺が蹴る』と言ったけど…」

2018.04.07

ボーフム戦フル出場の原口元気。「今日は勝たなきゃいけなかった」と悔しさを隠さなかった [写真]=Bongarts/Getty Images

 デュッセルドルフに所属する日本代表MF原口元気は、6日に行われたブンデスリーガ2部第29節のボーフム戦にフル出場。終盤にはPKを獲得すると、一時は自ら蹴る意志を見せたが、チーム内得点王のドイツ人FWロウヴェン・ヘニングスにボールを譲り、反撃弾のお膳立てにとどまった。

 現在首位のデュッセルドルフは2日の前節でダルムシュタットに0-1で敗れ、中3日での今節はボーフムに1-2で敗戦。今年ホーム初黒星で、痛い2連敗を喫した。試合後、原口は悔しさをかみしめるしかなかった。「負けると何を言ったらいいか分からないですね。悔しいしかないです…」。

 原口は左サイドで5試合連続のスタメン入りを果たしたが、右サイドでは日本代表FW宇佐美貴史が6試合ぶりのベンチスタートとなり、代わりにベルギー人FWベニト・ラマンが先発出場。前半はチャンスも少なく、原口も「ベニトが(相手DFを)はがしていくタイプじゃないので、タカシがいれば逆サイドでタメができて、こっちのサイドに、というのは良くある。(ベニトだと)それが縦に縦にで、(ボールを)とられるシーンも多かった」と振り返った。

 だが、後半の立ち上がりはラマンを起点にチャンスが生まれた。52分、ラマンの右サイド突破から、中央で折り返しを受けたヘニングスが反転してシュート。56分にもドリブルでファールを誘ってFKを獲得すると、原口のクロスからトルコ代表DFカーン・アイハンがヘディングシュートを放ったが、どちらもゴールには結びつかなかった。

「前掛かりになって先制点をとりに行きましたけど、そこで決めきれなかったのは痛かった」と原口が振り返ったように、チャンスを活かせなかったデュッセルドルフは70分にミドルシュートを浴びて失点。75分にはカウンターから追加点を許し、2点リードを奪われた。

 それでも、80分には原口がエリア内でヘニングスの落としを受けると、相手DFに倒されてPKを獲得。すぐに起き上がった原口は、自ら蹴る意志を示すようにボールを手にしていたが、普段キッカーを務めるヘニングスも譲らず、エリア内で”PK争奪戦“が繰り広げられた。

 原口は1月27日の第20節カイザースラウテルン戦で、自ら得たPKを断固として譲らず、移籍後初ゴールを決めていたが、今回はヘニングスに“粘り負け”したようだ。「(PKを)蹴ろうと思いましたけど、(いつもは)彼が蹴っているので。10回は『俺が蹴る』って言ったんですけど、11回目も『いや、渡してくれ』と言われたので渡しました」。

 デュッセルドルフはヘニングスのPK弾で一矢報いたが、反撃は続かず2連敗。痛い足踏みとなったが、翌7日に今節を行う2位ニュルンベルクが勝っても勝ち点差は「3」で首位をキープしている。次節は15日に暫定16位のハイデンハイムと対戦する。原口は、中8日での試合に向けて、「次勝つしかないです。しっかりリカバリーして、落ち着いてリラックスして、また新しい週に向かってやります」と切り替えた。

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By 湊昂大

Kota Minato イギリス大学留学後、『サッカーキング』での勤務を経てドイツに移住して取材活動を行う。2021年に帰国し、地元の広島でスポーツの取材を中心に活動中。

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