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「マーキュリアル」とともに自信を深める原口元気、忘れられない思い出の一足とは

 サッカー選手にとってスパイクは欠かせない商売道具だ。己のパフォーマンスを最大限に発揮できるのはどのスパイクか。原口元気がナイキの『マーキュリアル』を選んだのは、必然的だったと言えるだろう。

 ドリブルを最大の武器としていたユース時代だったら「ティエンポにしていたかもしれない」と当時を振り返る。プロに入り、「スピードが必要だと感じていた時期だった」という理由から、“優れたボールタッチ”よりも“軽さ”を重視した。

 そして、マーキュリアルの進化に合わせるかのように、原口のスピードはグングンと上がる。2014年からは本格的にスピード強化のトレーニングに取り組み始めた。「攻守において一対一で負けることが少なくなったと感じています。どの方向にも動ける体になってきて、スピードで剥がせる場面が増えてきましたね」。

原口元気

 スプリントの質を上げるために、わずかな変化にも気を配った。ヨーロッパの柔らかいピッチに適応するために履いた取り替え式のスパイクを「金属が入っている分、少し重くなってしまう」と感じるほど、軽さへのこだわりは強い。今でも「試合会場でウォーミングアップをして、『固定でいける』と思えば、固定式で試合に臨む」と言う。

 軽さだけではなく、フィット感も大切にする。「スパイクの中で足がズレるのがすごく嫌いなので、タイトな形をしたマーキュリアルは僕の足に合っています。切り返す時にストレスを感じたことがありません」。ボールを蹴る時の感覚よりも、優先するのは地面を踏み込んだ時の感覚。「少しでも緩くなったら新しいものに変える」という原口は、年間で約25足ものスパイクを使用するのだという。

 そんな彼が「新しいタイプが出ても、履き続けていた」と語る思い出の一足がある。それは2011年に発売された『マーキュリアル ヴェイパー スーパーフライ III』だ。「昔は験を担いでいましたね」と原口は懐かしそうに笑う。

ナイキ

原口が印象に残っていると話す一足、紫色が強烈なインパクトを放つ

「そのスパイクを履き始めてから得点が続いて、僕のキャリアが上向きになった。すごく縁起のいいスパイクで、とても印象に残っている」。実は2013年から1年ほど『ハイパーヴェノム』を着用したことがあったが、それでもマーキュリアルに戻ってきたのは、機能面だけではなく、どこかで“自分を押し上げてくれた”という感覚があったからなのかもしれない。

 2018年1月27日、原口は新天地でいきなり1ゴール1アシストの結果を残した。もちろん、その勢いを止めるつもりはない。“相棒”とともに積み上げてきた自信が、原口元気のスピードを加速させる。

取材・文=高尾太恵子

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