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欧州1年目の収穫と来季への期待…浅野「海外ってこういうものなんだなと」

2017.05.22

浅野拓磨は欧州1年目を「満足はできないし、納得もできない」と厳しく評価した [写真]=Bongarts/Getty Images

 欧州1年目の戦いが終わった。昨夏にサンフレッチェ広島から旅立った日本代表FW浅野拓磨は、アーセナルからレンタル移籍でシュトゥットガルトに加入。手探りの状態で欧州デビューのシーズンを駆け抜けた。

 シュトゥットガルトは21日のブンデスリーガ2部最終節でヴュルツブルガー・キッカーズに4-1で快勝し、2部優勝とともに1年での1部復帰を果たした。浅野は加入後に掲げた最大の目標を達成し、「1部昇格と優勝できたのは素直に嬉しい」と話したが、自身は3試合連続の出番なしで最終節を終え、悔しさを残したままシーズン終了を迎えた。

「自分が出て試合を決めたいと思っていた。交代枠が3枚切られたときは、悔しい気持ちが大きかった」。それだけに、優勝セレモニーでチームやサポーターが歓喜で湧く中、浅野がシャーレを自ら進んで掲げることはなかった。「試合に出て自分の中で喜んで終わりたかった。今日は正直悔しさのほうが大きい」。

 それでも欧州で積んだ経験は大きい。昨年9月9日の第4節ハイデンハイム戦に途中出場しドイツデビューを飾り、同10月30日の第11節カールスルーエ戦で初ゴールをマーク。今シーズンは26試合に出場し、その内先発は21試合で、4ゴール4アシストの記録を残した。

「過去を振り返る時間すらなかった。難しいなと思いながら毎日毎日、試合に出るために同じサイクルで練習を頑張っていた。やっぱり初めての経験が多いと、いろんなことを考えられる余裕すらないので、あっという間のシーズンでした」と振り返るが、がむしゃらに戦ってきた中でも確実に欧州での戦い方に適応してきた。

「自分が海外でやれることと、やれないことがはっきりした。今も試合に出られていない中で、いろんな気持ちで日々練習したりとか。海外ってこういうものなんだなと感じさせられた。一言では言い表せられないけど、僕の中では海外生活も含めて海外でのプレーなので、サッカーだけじゃなくいろんな面を含めて難しいことがあった。これからはもっともっと良くしていくしかない。これ以上自分の中では下にいくことはないと思うので、ここから本当にどんどん上に登っていくだけ」

 当初、個人の目標に「最低でもシーズン二桁得点」を掲げていただけに、数字だけ見ると物足りなさを感じさせる。自身も「今シーズンはチャンスがたくさんある中で決め切れない試合が多かったので、そこを上げていければ、試合にも使ってもらえると思う」と得点力を課題に挙げている。

 ただ、シーズンを通じて“海外でのプレー”に適応できた経験は今後につながっていく。今シーズンに味わった悔しさと経験を糧に、浅野が自身の能力をさらに発揮できれば、欧州2年目は飛躍の年になるはずだ。「自分の特徴をもっともっと生かしていきたい。今シーズンも自分のスピードを生かしながらプレーしたつもりだけど、まだまだやれることはたくさんある。まずは自信をもって恐れずにプレーすることを心がけたい」。

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