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強盗確保やファン救済に約6200万円出費…フランクフルトが見せた道徳心

2017.05.12

フランクフルトはブンデスリーガで現在11位につけている [写真]=Bongarts/Getty Images

 10日、11日付のドイツ誌『ビルト』では、日本代表MF長谷部誠が所属するフランクフルトのコーチを務めるロベルト・コヴァチ氏が犬の散歩中に偶然強盗の犯行現場を目撃、強盗犯を確保したことが連日で伝えられた。

『ビルト』誌によると、月曜日の22時に犬の散歩をしていたコヴァチ氏が銀行の前を通り過ぎたところ、「強盗、警察を!」という叫び声を聞いたという。被害にあった72歳の老人はATMからお金を引き落としたところを、28歳の犯人に狙われ、手にしていた40ユーロ(約5000円)を奪われ、倒れ込んだところだった。

 声を聞きつけたコヴァチ氏は、「犯人が走って逃げ出したところを追いかけて、50メートル先でヘッドロックを決めてやったよ。ナイフを持っていたかもしれないけれど、とっさの事でそんなことは頭に無かったね」とコメント。同氏はその後、近くのレストランに犯人を連れて行き、警察を呼んでもらい、3分後には逮捕されたという。

 ドイツ・スポーツ界のフェア・プレー賞を獲得している兄のニコ・コヴァチ監督は、「弟は市民としての道義心を見せた。私たちは皆、そうであって欲しいと願うものだね」とコメント。普段からチームに求めている人としてのモラルを自分たちで実践してみせた格好だ。

 また、8日にはアウクスブルクやフランクフルトが契約しているスタジアムの屋台用のプリペードカード会社『ペイメント・ソリューション』が破産申請し、混乱状態となった。フランクフルトのアクセル・ヘルマン会長は、「私たちに法律上の義務が生じなくとも、ファンが被る損害はクラブが請け負うつもり」だという。合計で50万ユーロ(約6200万円)にも上る出費は資金難のクラブにとって大きなダメージになるが、市民であるファンを救済すべく動き出したばかりだ。

 フランクフルトにとって、クラブ内部の改革が進む中、市民のためのクラブという原点を確認した週となった。

By サッカーキング編集部

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