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フランクフルト指揮官、CBでプレーの長谷部に「宮本恒靖になれ」

2016.10.31

ボルシアMG戦でCBを務めたフランクフルトの長谷部誠 [写真]=Bongarts/Getty Images

 フランクフルトのニコ・コヴァチ監督が、ここ最近の試合で採用している3バックや、日本代表MF長谷部誠について言及した。ドイツ誌『kicker』日本語版が伝えている。

 ベテラン選手となっても更に習得することができる、それを身を以て証明しているのが長谷部だ。

 これまで様々なポジションでプレーしてきた日本代表MFは、4バックのうち左右のサイドバックではプレー経験があったものの、最近では突如としてセンターバックとしてプレー。

 だがそれ以上に驚かせているのが、まるでずっとこのポジションでプレーし続けてきたかのうように、長谷部が明確にプレーをこなすその姿である。

「このポジションで、とても気分良くプレーできていますよ。監督に多くのオプションがあるというのはいいことですし」と、29日のボルシアMG戦後に長谷部は語った。

 コヴァチ監督が3バックを採用したのには理由がある。

 まずはリーグ戦第7節のバイエルン戦で3バックを採用し、そのときにはジャマイカ代表DFマイケル・ヘクターが3人目のCBとなったのだが、第8節のハンブルガーSV戦の後半から相手の2トップに対応する形で、長谷部がCBとしてプレー。その後のDFBポカール2回戦・インゴルシュタット戦やリーグ戦第9節ボルシアMG戦も、同じく相手が2トップを採用していたことから、「2トップに対して数的有利を作るため」に、3人のCBを配置する策を講じたのだ。

 次節の相手ケルンも、現時点で得点王のフランス人FWアントニー・モデストと今シーズン好調のFW大迫勇也による2トップを擁していることから、フランクフルトは再び3バックを採用することになるだろう。

 コヴァチ監督は「バリエーションをもって取り組んでいかないとね、相手を苦しませるために」と説明。

 メリットとしては、守備の際には5バックで、ビルドアップの際には3バックで対応し、両サイドバックはより攻撃的に仕掛けていけること。さらに「中盤に厚みを持たせることができるね」との考えをブルーノ・ヒュブナーSD(スポーツ・ディレクター)は示している。

 さらに試合後にはコヴァチ監督の口から、実に興味深い選手の名前が飛び出した。

「私が長谷部に伝えていることはね、宮本になれってことだよ」

 コヴァチ監督曰く、日本代表の「アイコン」というべき存在だった宮本恒靖氏は、長谷部と同様に長きにわたって代表の主将を務め、またザルツブルク時代にはコヴァチ監督とともに過ごしたDFだ。

 長谷部のCBについて、「本当にとてもうまくやっているよね」と賛辞を贈った指揮官は、「地面にいるより空にいる時間が長かった時でさえ、彼は安定してパフォーマンスを発揮できる選手だ」とコメント。

 それは長谷部のみならずそのほかのフランクフルトの選手達にも言え、ここまでは数的不利の中でのバイエルン戦でのドローに加え、ボルシアMGともアウェーでドロー、さらにレヴァークーゼンに2-1、シャルケに1-0、ヘルタ・ベルリンには1-1と、ここまで上位相手に善戦を繰り広げている。

By kicker日本語版

ドイツ最大のサッカー専門誌『kicker』日本語版

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