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残留をかけたダービーに臨む長谷部所属のフランク、ファンが出入り禁止に

2016.04.29

前節のマインツ戦終了後、ファンに挨拶をするフランクフルトの選手たち [写真]=Bongarts/Getty Images

 1部残留を果たすためにはどうしても負けられない、ダルムシュタットとのヘッセン・ダービーに臨む日本代表MF長谷部誠所属のフランクフルト。しかし、この試合をフランクフルトのファンは現地で観戦することができない。ドイツ誌『kicker』日本語版が伝えた。

 前回、12月にフランクフルトで行われたこのダービーで、フランクフルトのファンが発炎筒を炊いたりダルムシュタットのフラグを燃やすなどの騒動を起こしたことを受け、DFB(ドイツサッカー連盟)スポーツ裁判所はフランクフルトに対して、シュトゥットガルト戦と今回のダルムシュタット戦で、アウェー席の無観客試合を命じた。

 だが、フランクフルトファンに対する措置はこれだけにとどまらない。

 残留をかけた熱い戦いが予想されるダービーを前にダルムシュタット市は、週末の36時間にわたって、フランクフルトファンの市内への出入り禁止を決定したのだ。

 この36時間の理由について、ダルムシュタット市長は「そもそも試合当日に、フランクフルトのファンに対してデモを行うことが禁じられているが、しかしそれが試合の前後の日に起こらないとはかぎらないため」と説明。警察側は「これはダルムシュタットで悪事を働こうとする輩がいるための対応」であることを強調し、すでに危険視されるファングループのリーダーには、法的に市内出入り禁止である旨を伝えていることも明かしている。

 しかしその一方で、これまでにファンの弁護を務めた経験をもつ法律家は、『kicker』に「これは違憲だ。多くのファンには何の罪も無いというのに。これは基本権を無視したものだ」と批判を展開した。

 これに対してダルムシュタット市の見解は「あくまでヘッセン州の法律に則ったもの」としているものの、実際に同様の対処を行なった2012年のフュルト対ニュルンベルクのダービーでは、試合後にこれが違憲行為であったことが認められた例がある。

 ただ、そもそもいったいどうやってフランクフルトのファンを見つけ出すかといった懸念材料は残り、さらに火曜日にはすでに両クラブのファンが騒動を起こした。ダルムシュタット市側は、市内ではフランクフルトのユニフォームを着ないように呼びかけるとともに、「ダルムシュタット市において、サッカーの試合での最大規模のセキュリティ対策を行う」ことを宣言。配備の数などは当然明らかになってはいないが、チケット売り場にフランクフルトファンが近づかないようにするなど、36時間にわたり警備が強化される。

 一方のフランクフルト側は、今回の判断に対して驚きをみせており、水曜日に話し合いを行なったアレックス・ヘルマンCFO(財務責任者)らは不満の表情を見せた。

 なおダルムシュタット市によれば、事前にクラブ側への通達を試みたものの、それがうまく行われなかったとのこと。一方でクラブ間で協力の話もあったのだが、結局は警察と行政で今回の判断へと踏み切る結果となっている。

 勝ち点差「5」出迎える注目のヘッセン・ダービーは日本時間30日の22時半キックオフ。ホームのダルムシュタットは勝利を収めれば、今シーズンの自動降格圏内への回避が確定。一方、その自動降格圏内の17位につけるフランクフルトとしては、次節が2位ドルトムントとの対戦ということも含め、今回のダルムシュタット戦ではどうしても勝利を収めなくてはならない状況だ。

 なおフランクフルトの最終節は、現在入れ替え戦出場となる16位につけているブレーメンとの直接対決が控えている。

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By kicker日本語版

ドイツ最大のサッカー専門誌『kicker』日本語版

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