シャルケで好プレーを継続するフェアマン [写真]=City-Press via Getty Images
DF内田篤人が所属するシャルケで正GKを務めるラルフ・フェアマンに、ドイツ代表入りへの期待が高まっている。
シャルケは3月18日のブンデスリーガ第27節でボルシアMGと対戦し2-1で勝利したが、この日シャルケで最も輝きを放ったのは、他でもないフェアマン。チームメイトのFWフランコ・ディ・サントは試合後、自身の公式ツイッターで「重要な勝ち点3を奪うことができた。ラルフ(フェアマン)は、ドイツ代表に選ばれてしかるべき働きをしてくれた」と記し、U-21ドイツ代表MFレオン・ゴレツカも「ワールドクラスの出来だった」と、守護神に賛辞を送っている。また対戦相手のスイス代表GKヤン・ゾマーでさえ「フェアマンはスーパーな選手だった」と、感服するほどのパフォーマンスだった。
そもそも彼の実力は、GK大国ドイツの中でもかなり高いほうである。
一対一など決定的ピンチの阻止数は、フランクフルトのフィンランド代表GKルーカス・フラデツキーと並び12回で、現在リーグ最多。シュートセーブ率も、ドイツ代表常連だったハノーファーのGKロン・ロベルト・ツィーラーや、最近同代表に名を連ねるようになったレヴァークーゼンのGKベルント・レノを上回っている。
GKも含めた後方からのビルドアップを大切にするヨアヒム・レーヴ監督だけに、足技がハイレベルなGKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンのドイツ代表招集は当然とも言える。しかしフェアマンのパス成功率については、ブンデスリーガでプレーするドイツ人GKの中ではマヌエル・ノイアー、ツィーラーに次いで3番目に高く、例えば先述のレノよりフェアマンが劣っている点と言えば、年齢くらいしか見当たらない。繰り返すようだが、的確なポジショニングや鋭い読み、そして瞬発力など、本来GKに必要な能力だけで考えれば、フェアマンがすでにドイツ代表デビューを果たしていたとしても、なんら不思議ではないのだ。
なお、本国サッカーファンの目にも、同選手の能力はドイツ代表に十分値すると映っているようで、ドイツ誌『スポーツビルト』が行ったオンラインアンケートでは、3300以上の投票のうち91パーセントが「フェアマンは来夏の欧州選手権でドイツ代表に招集されるべき」と回答している。
フェアマンは現在27歳。GKというポジションの特性を考えれば、今後大きく成長することも決して不可能ではない。「諦めるのはまだ早い。僕の能力を誰もが信頼してくれるようになるまで、全力でプレーし続ける。そうすれば、ひょっとしたらいつかは、そこにたどり着けるかもしれないからね」と話す同選手が、ドイツ代表のユニフォームを身にまとう日は果たしてやってくるのだろうか。
文=鈴木智貴
By 鈴木智貴