2015.09.17

清武や長谷部も実践中? ハノーファーとフランクフルトの“栄養改革”

ハノーファー所属の清武(左)、酒井(中)、フランクフルト所属の長谷部(右) [写真]=Bongarts/Getty Images
ドイツ在住。ライター兼サッカー指導者

文=鈴木智貴

 医療やスポーツ科学は日進月歩。次々と新しい事実が判明し、以前は良いとされていたものが、「実は体に悪かった」なんてことは、そう珍しくない。元々ドイツは慣習や伝統を重視するお国柄ではあるが、今やブンデスリーガのクラブも積極的に新しい方法を取り入れるようになっている。

 そんな中、ドイツ紙『ビルト』が伝えたところによると、日本代表MF清武弘嗣と同DF酒井宏樹が所属するハノーファー、そして同MF長谷部誠所属のフランクフルトが、栄養面の改善に着手しだしたという。

 まずはハノーファーであるが、先日行われたエゲストルフ(5部)との練習試合で4得点を決め、ブンデスリーガ第4節でも2ゴールを叩き込んだポーランド人FWアルトゥル・ソビエフは、この7月から食事を抜本的に見直し、オレンジやリンゴ、コーヒー、牛乳、パン、麺類の摂取をやめ、米と魚と肉、そして大豆製品を摂っているそうだ。

 近年、多くの負傷に見舞われていた同選手は、フィットネスコーチであるエドワルド・コバルチュク氏の進言により血液検査を実施。300の栄養素と体の不適合性をチェックしてみたところ、柑橘類、小麦、グルテンなど60の成分と相性が悪いことが発覚したという。

 FWホセルやMFラース・シュティンドルなどが移籍し、清武とともに攻撃の軸としての期待がかかるソビエフは、早くもその効果を実感している。

「理学療法士のラルフ・ブルーメから素晴らしいサポートを受けている。今では、彼こそ僕の重要な相談相手になった。新しい栄養素に体が慣れるまで、まだ一定の時間はかかると思う。けれど、今の食事に変えてからここまで、筋肉系の問題は全く起こらなくなった。この食事はかなり良いと思うよ」(ソビエフ)

 一方のフランクフルトは、アレクサンドラ・ケレマンという若手栄養士を招聘し、アスレチックトレーナーのクリスティアン・コロツィエ氏とタッグを組ませ、チーム全体を改造中だ。同クラブは、ドイツ代表が2014年ブラジル・ワールドカップを制した時のように、牛乳やケーキをやめさせ、また肉や魚も少な目にし、その代わりに大豆やスペルト小麦(※現在の小麦の原種にあたる古代穀物)、ナツメヤシを積極的に摂取させるようにしているという。

 ケレメン氏は『ビルト』に対し、「ゴールド(に値する成績)を手に入れたければ、ゴールド(の価値がある栄養)を蓄えなければいけません。コロツィエ氏もどの栄養素が良いのか私に聞いてくれますし、試合前には牛乳ではなくナツメヤシを摂取することを勧めています。果糖は素早く体に吸収されますからね」と説明しており、また「サッカー選手は間違った栄養を摂ると胃酸過多の状況になりやすいことが分かっています。そして胃酸過多は、例えばスプリントをした時に筋肉を絶えず緊張状態にしてしまい、筋肉系の負傷を起こしやすいのです。食事の改善により、それを防ぐことができます」と、この措置がけがの予防に大きな効果があると話している。

 選手と一緒にオーガニック専門スーパーマーケットに出かけることもあるという同氏に触発されたスイス代表FWハリス・セフェロヴィッチは、毎週月曜にヨガを習いだし、スムージーや野菜バーガーなども食べるようになったそうだ。

「彼はチームメートにもこのやり方をすごく勧めていますね。他の選手たちも最初は『野菜だけだとフィジカルが弱くなってしまうのではないか?』と怖がっていましたが、私はその度に選手へこう言っています。『ゴリラは草食。それでもあんなに強いんですよ?』とね」(ケレマン氏)

 体の内部から向上を図っているハノーファーのソビエフ、そしてフランクフルトが、向こう数カ月でどのような変化を見せていくのか楽しみである。

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