武藤は開幕戦に途中出場し、ブンデスデビューを飾った(写真はプレシーズンマッチ)[写真]=Bongarts/Getty Images
15日のブンデスリーガ開幕戦で、日本代表FW武藤嘉紀が新天地マインツで途中出場。リーグ戦デビューを飾ったが、チームは昇格組のインゴルシュタットに0-1で敗れた。
武藤も、交代直後にサイドをドリブルで突破した場面以外では見せ場を作れず、地元紙『Allgemeine Zeitung』の寸評も、「突破で一度はスタジアムを盛り上げたが、それまでだった」と低い評価に終わった。
ホームで格下相手に敗戦し、ハラルド・シュトルンツ会長は「言うまでもなくがっかりの結果だ。我々のサポーターがブーイングをするなんてめったにないことで、それだけ期待も大きいということ。昇格チームにとって、我々はありがたい相手になってしまっている」と渋い表情を見せた。
一方で、マルティン・シュミット監督は「ロングボールを使ったりポストプレーのできる、体の大きくて屈強なセンターフォワードが必要」と、シュート数9本で無得点に終わった攻撃陣へのテコ入れの必要性を説いた。
この発言を受け、17日のドイツ紙『ビルト』はマインツがFWの獲得に動いていると報じた。
「明らかなのは、1トップ岡崎慎司の穴を埋められていないこと! フロリアン・ニーダーレヒナーはまず1部のサッカーに慣れる必要があり、武藤は本来サイドの選手。ともに岡崎の穴埋めはできない。一刻も早くゴールを決められる点取り屋が必要だ!」
同紙はこのように伝え、シュミット監督の「我々がFWを探しているというのは周知のこと。この結果を受け、補強が加速するかもしれない」というコメントを紹介した。
開幕前に10年で総額2億6000万ユーロ(約358億5000万円)の超大型スポンサー契約を結んだことで、マインツの資金面はかつてないほど潤沢。補強資金ねん出もそれほど困難なことではない。
マネージャーのクリスチャン・ハイデル氏は『ビルト』紙に対し、「残された時間は少ない。何か行動を起こすのであれば残り2週間となるが、リーグ開幕戦の結果とは関係ない」とリーグ初戦の惜敗と戦力補強の関連性を否定した。
だが同紙は、“思うようなFWを見つけるには至っていない”と、望むようなFWが見つかっていないマインツの事情を指摘。さらに、補強候補についてはリストアップ済みで、実際に選手とも接触もしているが、すぐには決まらないとの見通しを立てている。
同紙は、フランス紙『レキップ』の報道として、レンヌ所属のスウェーデン人FWオラ・トイヴォネンがレヴァークーゼン、マインツへの移籍を希望しているが、交渉には至っていないことも伝えている。