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両親と指導者のトラブルはドイツも一緒? ハノーファー育成部門で3つの訴訟

2015.03.04

ハノーファーのエンブレムが入ったフラッグ [写真]=Bongarts/Getty Images

文=鈴木智貴

 日本代表MF清武弘嗣と同DF酒井宏樹が所属するハノーファーの育成部門が話題になっている。

 地元紙『ハノーファーシェ・アルゲマイネ』や大衆紙『ビルト』など複数ドイツメディアが伝えたところによると、ハノーファー下部組織の子供たちがミュンヘンへ遠征に行った2年前、そのチームを率いていたシュテファン・L(仮名)監督が、「バイエルンはクソだ」という言葉とともに、チームジャージからお尻だけを出した5人の選手の写真を、選手らの両親に送っていたという。そしてL監督はその後、この写真が原因で訴訟沙汰に巻き込まれたというのだ。

 ただし、同監督が告訴されたのはこれ1回だけではない。2つ目は2014年10月、選手のサポート及び監督義務の不履行で訴えられ、さらに現在も“侮辱”という理由で3度目の告訴を受けているようだ。

 ハノーファーのマーティン・キント会長は1つ目の件について、「その写真は監督が撮影したものではなく、子供たちがふざけてやったものなんだ。しかもバイエルンの子供たちもその場にいた」と説明し、L監督の主導ではないことを強調。そして、「もちろんこの写真はハノーファーというチームにとって何の助けにもならない。今後2度とこのようなことが起きないよう、我々は組織を変えている。選手の両親と対話する時間を定期的に設け、監督についてもしっかりと目を行き届かせるようにしている。そのおかげで今では親たちからの評判もすごく良くなった」と、育成部門の管理強化がうまくいっていることを語った。

 そして2つ目の件についてだが、『ビルト』は「練習中に気分が悪くなった選手をL監督がベンチで休ませたところ、その選手の母親が弁護士を引き連れ、同監督を『監督義務不履行』として告訴した。そうこうしているうちに、その選手は現在ハノーファーを退団している」と伝えており、さらに3度目の告訴に関しては「ある選手がチームメートのお金を盗んだとし、L監督はみんなの前で正直に白状するよう促した。しかし、その選手の両親は同監督に真っ向から対立。『濡れ衣を着せられた』として告訴した」としている。

 だが、ハノーファーの育成部長を務めるイェンス・レーハーゲル氏は「3つ目のことについては、我々は何も聞かされていない。それに、もちろん全ての事件を詳しく調査したが、L監督が間違った行動をしたという結論には至らなかった。彼は良い仕事をしているし、我々は満足している」と話し、依然として同監督に全幅の信頼を置いているようだ。

 一昔前よりもさらにコンプライアンスが厳しくなっている現代において、このような話題はスポンサーが最も嫌うもの。真偽のほどは当人たちのみぞ知るところだが、ブンデスリーガ7戦未勝利とただでさえネガティブな状態にあるハノーファーにおいて、キント会長の頭痛の種は増えるばかりである。

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By 鈴木智貴

ドイツ在住。ライター兼サッカー指導者

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