1部昇格が認められたRCランス [写真]=Getty Images
財政上の問題でリーグ・アン昇格が無効となっていたRCランスの1部昇格が逆転で認められることになった。フランス紙『レキップ』は28日、FFF(フランスサッカー連盟)が同日に開いた執行委員会のなかで、同クラブの1部昇格を認める決定を下したと報じた。
昨シーズン、リーグ・ドゥ(フランス2部)で自動昇格圏内の2位に入ったRCランスは、2014-15シーズンの1部昇格を決めた。しかし、DNCG(フランスリーグに所属するクラブの財務状況を監視する組織)は先日、同クラブの2014-15シーズンに向けた予算が、リーグ機構側の定める基準を満たしていないことを理由に昇格を無効にすると通告していた。
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これを受けて、同クラブのジェルベー・マーテル会長は、クラブのオーナーを務めるアゼルバイジャン人実業家のハフィズ・マフマドフ氏が、今後数日以内に1000万ユーロ(約13億8000万円)を送金する予定があり、その追加資金でこの問題が解決される見込みであるとの見解を述べていた。だが、マフマドフ氏はその後も送金を行うことはなく、今月初めにはアゼルバイジャン国内で逮捕されていた。なお、同氏の逮捕理由は不明となっている。
この一件を受けて、クラブ側はオーナーからの追加資金投入を諦め、来年度の予算を4800万ユーロ(約65億8000万円)から3800万ユーロ(約52億円)に縮小することを決断。また、CNOSF(フランス国立オリンピックスポーツ委員会)に訴えを起こしていた。
このRCランスの改善案に対して、CNOSFが昇格承認に向けて前向きな姿勢を見せたことで、FFFは今回同クラブの昇格を認める決定を下した。ただ、今後もDNCGの監視下に置かれるRCランスは、人件費の抑制および新戦力の獲得に関しても一定の制限を科される見込みだ。
2014-15シーズンの開幕まで2週間を切ったなか、劇的な形でリーグ・アン昇格の権利を手にしたRCランスは、8月9日にナントとの開幕戦に臨む予定となっている。
(記事/超ワールドサッカー)