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タッチライン外での攻防? 監督たちのファッションで振り返るEURO2020

2021.07.13

イタリアの優勝で幕を閉じたEURO2020 [写真]=Getty Images

 イタリアの優勝で幕を閉じたEURO2020。選手たちの華麗なテクニックや迫力溢れるプレーはもちろんのこと、タッチラインで冷静にチームを見守り、時に熱く選手を鼓舞する監督たちの存在も見どころの一つだ。そこで今回は、個性豊かな監督たちのファッションに注目してEURO2020を振り返る。

[写真]=Getty Images

▼グループステージ敗退


〈上段左から〉
マルック・カネルヴァ監督(フィンランド)
マルコ・ロッシ監督(ハンガリー)
イゴール・アンゲロフスキ監督(北マケドニア)
パウロ・ソウザ監督(ポーランド)
〈下段左から〉
スタニスラフ・チェルチェソフ監督(ロシア)
スティーヴ・クラーク監督(スコットランド)
シュテファン・タルコヴィッチ監督(スロバキア)
シェノル・ギュネシュ監督(トルコ)

 残念ながらグループステージでEURO2020を去った8カ国の監督。ポーランドを除く7カ国の監督が黒や紺、あるいはグレーというベーシックなスーツ姿で指揮を執った。シャツの色は揃って白。

 ポーランドを率いた元ポルトガル代表MFパウロ・ソウザ監督はベージュのパンツが基本スタイル。トップスは気候に応じてネクタイ&ジャケット姿や、ノーネクタイでのベスト姿などを披露した。現役時代は黒いロングヘアが印象的だったP・ソウザ監督。指揮官として初めて臨んだEUROはグループ最下位で去ることになったが、シルバーヘアにマッチしたお洒落な着こなしは今大会に爪痕を残した。

▼ベスト16敗退


〈上段左から〉
フランコ・フォーダ監督(オーストリア)
ズラトコ・ダリッチ監督(クロアチア)
ディディエ・デシャン監督(フランス)
ヨアヒム・レーヴ監督(ドイツ)
〈下段左から〉
フランク・デ・ブール監督(オランダ)
フェルナンド・サントス監督(ポルトガル)
ヤンネ・アンデション監督(スウェーデン)
ロブ・ペイジ監督代行(ウェールズ)

 優勝候補が次々と姿を消したベスト16敗退組も、スーツ派の監督が目立った。ドイツとウェールズ以外の6カ国の監督は、気候によりトップスに変更はあったが、スーツ姿が基本。オーストリアのフランコ・フォーダ監督とフランスのディディエ・デシャン監督は紺系のスーツの中に、濃い同系色のシャツを合わせた。

 15年間の長期政権にピリオドを打ったドイツのヨアヒム・レーヴ監督はチーム公式スポンサー「ヴァン・ラック」のアイテムを着用。ジャストサイズのティーシャツやワイシャツがお似合いだった。また腕時計ファンにも一目置かれる存在だというレーヴ監督。今大会では007シリーズの『ノー・タイム・トゥ・​ダイ』でジェームズ・ボンドが着けていた、オメガの「​シーマスター ダイバー300M 007 エディション」を腕に巻いていたとのことだが、過去にはスイスの高級腕時計メーカー「IWC」の様々なシリーズを身に着け、ファンの注目を集めていた。

 ちなみに参加国の中で唯一、上下ジャージ姿でタッチラインに立ち続けたウェールズのロブ・ペイジ監督代行もこのラウンドで姿を消すことになった。

▼ベスト8敗退


〈左から〉
ロベルト・マルティネス監督(ベルギー)
ヤロスラフ・​シルハヴィー監督(チェコ)
ヴラディミル・ペトコヴィッチ監督(スイス)
アンドリー・シェフチェンコ監督(ウクライナ)

 準々決勝でEURO2020を去った4監督は、いずれもオーソドックスな色のスーツ姿で統一されていた。ワイシャツの色は4人揃って白で、ネクタイもきっちり結ぶという真面目スタイル。ベルギーを率いたロベルト・マルティネス監督はイギリス紙『イブニングスタンダード』から“優勝候補の一角だったというのにお葬式みたい”という厳しいファッションチェックを受けていた。

 元モデルの妻を持つウクライナのアンドリー・シェフチェンコ監督は、自身のスター性も相まってシンプルなスーツ姿も様になっていた。

▼ベスト4敗退


〈左から〉
カスパー・ヒュルマンド監督(デンマーク)
ルイス・エンリケ監督(スペイン)

 カジュアルスタイルで勝ち上がってきた2監督が決勝戦を前に涙をのんだ。

 開幕2連敗を喫したデンマークのカスパー・ヒュルマンド監督は、黒のジップアップで臨んだ3戦目のロシア戦に4-1で勝利。同じトップスで戦ったラウンド16でウェールズに勝つと、白いポロシャツでスタートした準々決勝チェコ戦では試合途中から“幸運の上着”を重ね着。選手から、ユニフォームの色とかぶって分かりづらいと言われた為であり、ゲン担ぎではないと主張したが、準決勝イングランド戦でもしっかりと身に着けていた。

 スペインのルイス・エンリケ監督は何よりも動きやすさを重視。ボトムスはチノパン、カーゴパンツ、ジーンズを履きまわし、トップスはポロシャツかワイシャツで足元はスニーカー。飾らないスタイルだったが、引き締まった体と腕のタトゥー、そしてちらりとのぞかせる足首の絶妙なバランスがエンリケ監督の個性を引き立てていた。

▼準優勝


ガレス・サウスゲート監督(イングランド)

 2018年ワールドカップで身に着けた英百貨店「マークス&スペンサー」のベストの売り上げを35%もアップさせた実績を持つガレス・サウスゲート監督。今大会で着用したのはロンドンのメンズブランド「パーシバル」の一式。イングランド代表の公式ブランドではなく、同社から売り込みを受けたというサウスゲート監督自身が勝負服に選んだとのこと。同ブランドの公式サイトによれば、サウスゲート監督が着用したジャケットとパンツ、ネクタイの全てを購入しても727ポンド(約11万円)。手が届かない額ではなく、再び売り上げアップに貢献することになりそうだ。実際、「パーシバル」の共同設立者クリス・ゴーヴ氏によれば、準決勝が終わった時点で49ポンド(約7500円)のドット柄ネクタイの売り上げはかなり伸びていたとのこと。

▼優勝


ロベルト・マンチーニ監督(イタリア)

 圧倒的なセンスの良さを見せつけたのはイタリア代表のロベルト・マンチーニ監督だ。ジョルジオ・アルマーニがデザインしたイタリア代表公式スーツを実にエレガントに着こなしていたマンチーニ監督。試合中はジャケットを脱いでワイシャツ姿で指揮を執ることが多かったが、袖のまくり方も計算され尽くされているように見える。試合後のインタビューでは脱いだジャケットを小脇に抱えたり、片手で肩にかけてみたり。ジャケットを片手に反対の手でガッツポーズを決める姿も様になっていた。

 ファッション誌から抜け出してきたようなカッコ良さを発揮し続けたアッズーリの指揮官。監督ファッションコンテストでも圧倒的な強さを見せつけた。

(記事/Footmedia)

By Footmedia

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

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