バルセロナとレアル・マドリードが、コパ・デル・レイ準決勝で対戦する。
今季のコパ・デル・レイは、準決勝にして最大の山場を迎えようとしている。セビージャとの準々決勝1st legで不利な状況に陥ったものの、2nd legで状況をひっくり返して勝ち抜けを決めたバルセロナと、2試合合計スコア7-3でジローナを撃破したレアル・マドリードが、決勝行きのチケットを賭けて争うのだ。6日(日本時間29時)には1st legがバルサのホームスタジアム『カンプ・ノウ』で、27日(日本時間21時)には2nd legがレアルのホームスタジアム『サンティアゴ・ベルナベウ』で行われる。
強烈なライバル関係にある両クラブは、これまでもコパ・デル・レイで数々の名勝負を繰り広げてきた。熱戦必至の準決勝を前に、同大会における両雄の対戦データを振り返ってみよう。
■過去通算対戦成績
バルセロナ勝利:3
レアル・マドリード勝利:4
引き分け:4
計11試合
◎1990年4月5日 決勝
【スコア】
バルセロナ 2-0 レアル・マドリード
【得点者】
68分 1-0 ギジェルモ・アモール(バルセロナ)
90分 2-0 フリオ・サリナス(バルセロナ)
◎1993年6月9日 準決勝 1st Leg
【スコア】
レアル・マドリード 1-1 バルセロナ
【得点者】
30分 0-1 ホセ・マリア・バケーロ(バルセロナ)
40分 1-1 イバン・サモラーノ(レアル・マドリード)
◎1993年6月16日 準決勝 2nd Leg
【スコア】
バルセロナ 1-2 レアル・マドリード
【得点者】
24分 0-1 ミチェル(レアル・マドリード)
82分 0-2 イバン・サモラーノ(レアル・マドリード)
87分 1-2 ミカエル・ラウドルップ(バルセロナ)
◎1997年1月30日 ラウンド16 1st leg
【スコア】
バルセロナ 3-2 レアル・マドリード
【得点者】
13分 1-0 ロナウド(バルセロナ)
16分 1-1 ダヴォール・シューケル(レアル・マドリード)
67分 1-2 フェルナンド・イエロ(レアル・マドリード)
70分 2-2 ミゲル・アンヘル・ナダル(バルセロナ)
78分 3-2 ジオヴァンニ(バルセロナ)
◎1997年2月6日 ラウンド16 2nd leg
【スコア】
レアル・マドリード 1-1 バルセロナ
【得点者】
69分 0-1 オウンゴール(バルセロナ)
79分 1-1 ダヴォール・シューケル(レアル・マドリード)
◎2011年4月20日 決勝
【スコア】
バルセロナ 0-1 レアル・マドリード
【得点者】
102分 0-1 クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード)
◎2012年1月18日 準々決勝 1st leg
【スコア】
レアル・マドリード 1-2 バルセロナ
【得点者】
11分 1-0 クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード)
49分 1-1 カルレス・プジョル(バルセロナ)
77分 1-2 エリック・アビダル(バルセロナ)
◎2012年1月25日 準々決勝 2nd leg
【スコア】
バルセロナ 2-2 レアル・マドリード
【得点者】
43分 1-0 ペドロ・ロドリゲス(バルセロナ)
45分 2-0 ダニエウ・アウヴェス(バルセロナ)
68分 2-1 クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード)
72分 2-2 カリム・ベンゼマ(レアル・マドリード)
◎2013年1月30日 準決勝 1st Leg
【スコア】
レアル・マドリード 1-1 バルセロナ
【得点者】
50分 0-1 セスク・ファブレガス(バルセロナ)
81分 1-1 ラファエル・ヴァラン(レアル・マドリード)
◎2013年2月26日 準決勝 2nd Leg
【スコア】
バルセロナ 1-3 レアル・マドリード
【得点者】
12分 0-1 クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード)
57分 0-2 クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード)
67分 0-3 ラファエル・ヴァラン(レアル・マドリード)
87分 1-3 ジョルディ・アルバ(バルセロナ)
◎2014年4月16日 決勝
【スコア】
バルセロナ 1-2 レアル・マドリード
【得点者】
10分 0-1 アンヘル・ディ・マリア(レアル・マドリード)
68分 1-1 マルク・バルトラ(バルセロナ)
85分 1-2 ガレス・ベイル(レアル・マドリード)
■上位スコアラー(5名)
クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード):5得点
イバン・サモラーノ(レアル・マドリード):2得点
ダヴォール・シューケル(レアル・マドリード):2得点
ラファエル・ヴァラン(レアル・マドリード):2得点
ペドロ・ロドリゲス(バルセロナ):1得点
■ピックアップゲーム①
1997年1月30日 ラウンド16 1st leg
バルセロナ 3-2 レアル・マドリード
ラウンド16という早いタイミングで実現した「コパ・クラシコ」。『カンプ・ノウ』で行われた1st legを3-2で制したバルサは、敵地での2nd legを1-1で凌いで、次ラウンドに駒を進めている。
ボビー・ロブソン率いるバルサは、“怪物”ロナウドを最大限に生かすべく、縦に速いサッカーを展開。中盤ではゲオルゲ・ポペスクが守備的な役割を担い、ジョゼップ・グアルディオラが持ち前の展開力でリズムを作る。レアルはフラットな4-4-2がベース。新進気鋭のラウール・ゴンサレスは左サイドを中心に動き回り、ダヴォール・シューケルとプレドラグ・ミヤトヴィッチの2トップが虎視眈々とゴールを狙う。
バルサは電光石火の攻めで先制点を奪う。13分、自陣からドリブルで持ち上がったグアルディオラが、ここぞというタイミングで最終ライン裏にスルーパスを供給。抜け出したロナウドがボド・イルクナーとの一対一を制してゴールを陥れた。
その後逆転を許したバルサだったが、70分にはミゲル・アンヘル・ナダルの直接フリーキックで同点に追いつく。そして78分には、再びグアルディオラがコーナーキックからジオヴァンニのゴールを演出。カンテラーノの正確なキックが、バルサを勝利に導いた。
■ピックアップゲーム②
2011年4月20日 決勝
バルセロナ 0-1 レアル・マドリード
後にリーガ・エスパニョーラとUEFAチャンピオンズリーグ(CL)を制することになるバルサを、レアルがクリスティアーノ・ロナウドのゴールで撃破。コパ・デル・レイのタイトルを手中に収めた。
レアルの指揮官であるジョゼ・モウリーニョは、3トップの中央にC・ロナウドを配置。両翼のアンヘル・ディ・マリアとメスト・エジルは、ピッチの幅を目一杯使って攻撃の起点となった。対するバルサは、グアルディオラ監督から「偽9番」の役割を与えられたリオネル・メッシが、神出鬼没な動きでレアル守備陣を翻弄。バルサがティキ・タカで試合をコントロールしようと試み、レアルがスピーディーなカウンターで対抗する、そんな展開が続いた。
球際の激しさから両チームの選手たちがヒートアップするシーンも多いなか、どちらもゴールを決めることができず、勝負は延長戦にもつれ込む。そして迎えた102分、左サイドをワンツーで抜け出したディ・マリアのクロスにC・ロナウドがヘディングで合わせ、ついにレアルが先手を取る。結局これが決勝ゴールとなり、レアルは1993年以来18度目となる優勝を果たした。
優勝パレードでセルヒオ・ラモスがバスの上から優勝杯を落としてしまうという後日談もあったため、この「コパ・クラシコ」は何かと記憶に残る試合だったと言えるかもしれない。
文=松本武水
写真=Getty Images
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