2018.10.25

【ラ・リーガツアー/前夜】スペイン訪問は突然に

ラ・リーガが主催するツアーに参加するために、サッカーキング編集部員が単身バルセロナへ。
サッカーキング編集部

「スペインに出張するって聞いたんですけど、ホントですか?」

 夏休みを利用して実家に帰省していた時に、僕は同僚からこんな連絡をもらった。スペイン出張の「ス」の字も聞かされていなかったため、相手を間違えているのでは? とも思ったが、どうやら連絡先は僕で合っているようだった。

 慌てて事の次第を確認する。どうやら、スペインのプロサッカーリーグ『リーガ・エスパニョーラ』から、「スペインのサッカーと文化の認知拡大」に協力してほしいという要請があったらしい。世界各国の記者をスペインに招き、情熱あふれるサッカーカルチャーや豊かな風土を感じて発信してもらおうという試みのようで、そのツアーに僕が選ばれたというのだ。

 願ってもないチャンスだ、と思った。僕が海外サッカーにのめり込んだのは、小さい頃にテレビで観たリーガがきっかけだったからだ。画面越しに見ていた憧れの世界を、この身で体感できる。否応なく胸が高鳴った。

 だが、このツアーの詳細が明らかになるにつれて、だんだんと不安な気持ちの方が大きくなっていった。まず僕を尻込みさせたのは、スペインへの渡航が単身だということ。てっきり「誰かと一緒に行くんだろう」と呑気に構えていた僕の目論見は、いきなり崩れた。

 さらに、「言葉の問題」という懸念事項もあった。一応リーガ側が手配してくれる通訳はいるのだが、彼らが話すのは英語とスペイン語。中学校のニュー〇ライズンレベルで進化が止まっている僕の語学力では、ツアー中に円滑なコミュニケーションが取れるとは到底思えなかった。

 日本時間の24日、成田空港で飛行機の搭乗手続きをしている間も、不安は消えなかった。いや、もちろん楽しみな気持ちはあるし、今回のツアーに自分が選ばれたことは身に余る光栄なんだけれども。「スペインのサッカーと文化を肌で感じ、伝える」という任務が、とてつもなく重く感じられた。

手前のパスポートにピントを合わせるという、しゃらくさいことをしてみる。

 成田を経った飛行機は、オランダのアムステルダムを経由してバルセロナのエル・プラット空港に到着。そこから、ツアー中に滞在する『THE CORNER HOTEL』まで移動する。

その名の通り、十字路の角にある『THE CORNER HOTEL』は、ハイグレードな良ホテルだ。

 FCバルセロナのホームスタジアム『カンプ・ノウ』までは、ホテルから車で10分程度の距離だ。「おつまみのバターピーナッツを切らしてたから、ちょいっとスーパーまで買い足しに行くね」というレベルの近さに、幾多の名勝負が繰り広げられてきたスタジアムがある現実に慣れるまで、一体何日を要するだろうか。

 そうこうしているうちに、招待されたジャーナリストが一堂に会する夕食の時間が近付いてきた。義務教育で詰め込んだ英単語と文法を思い出しつつ、レストランに向かうことにしよう。

文=松本武水

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