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【コラム】ジダン退任と主力の去就騒動…CL3連覇後に話題を独占するレアル

スペイン国内で話題を独占するレアル[写真]=Getty Images

 チャンピオンズリーグ(CL)決勝の試合終了の笛が吹かれてから約1週間が経った。あれから3連覇の偉業を達成したレアル・マドリードが、世間の話題を独占している。欧州の全日程が終了し、スペイン代表も親善試合を行っているが、国内はワールドカップではなく、まだレアル・マドリードについて話している。多くのニュースが瞬時に消費され、飽きられる現代において、語れるテーマは違えどその根本にあるのは、レアル・マドリードだ。

 スペイン代表DFセルヒオ・ラモスが3シーズン連続でビッグイヤーを掲げた直後、国内で大きな話題となったのは、タイトル獲得でも、フットボール史に刻まれたウェールズ代表FWギャレス・ベイルのオーバーヘッドでもなく、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドの試合後のコメントだった。

C・ロナウド

CL3連覇直後に物議をかもす発言をしたC・ロナウド [写真]=Real Madrid via Getty Images

 記者が「このレアル・マドリードはあなたとともにタイトルを勝ち続けていきますか?」と質問すると「今はタイトル制覇を楽しまなければいけない。数日以内にいつも僕の隣にいて応援してくれたサポーターに返答するよ。レアル・マドリードでの時間はとても素晴らしいものだった。こういう時間を楽しんだし、このチームでやったことを今は楽しんでいる。数日以内にその質問には返答するよ。1人の選手の将来は、今は重要ではない。最も大事なのは、レアル・マドリードで僕たちがなし遂げたことで、かつてどのチームもやっていないことを達成したことだ」と返答した。

 シーズンを締めくくる偉業は、C・ロナウドの退団を示唆するコメントともにすぐさま報じられるようになった。ただメディアも、そこからもたらされる情報を聞く世間も何となくそのコメントに重みを感じられない。なぜならC・ロナウドは、これまでも“同様の”発言をしていたからだ。昨夏も、2012年もしている。ラジオなどではレアル・マドリードがリヴァプールを破った要因を語るよりも、C・ロナウドの退団の動機をすぐさま検証をし始めた。アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ、ブラジル代表FWネイマールよりもサラリーが低いこと、自分がいるのにネイマールを獲得しようとしていること、脱税疑惑にうんざりしているなど毎度の理由が挙げられた。

 またこんな見方もある。C・ロナウドは決勝で得点を決められなかったゆえに、そう発言することで注目を集めたかった。つまり、彼のエゴが露見したというのだ。そんな議論を聞いていて1人の記者が、もう我慢ならないという風にこう叫んだ。

「レアル・マドリードが歴史的な3連覇をした素敵な夜だというのに、優勝してから1時間半、祝うべき時になんでこんな愚かな発言をした選手の話ばかりなんだ!」

 ポルトガル人が退団を示唆した後に、ベイルも「僕はもっとプレーしたい。自分の代理人と席に着いて、話し合わなければいけない」と退団を考えていることを明かした。決勝でベンチスタートになったこと、常時スタメンで出場できていないことに加えて、自分がいるのにネイマールの獲得の可能性が騒がれることが我慢ならないのがウェールズ人の動機だと推測されている。怒ったベイルは、途中出場から2得点を決めて試合の流れを変えるとともに、世界最高峰のアタッカーであることをもっとも注目が集まるゲームで実証した。

ベイル

大舞台で自身の価値を証明して見せた [写真]=Real Madrid via Getty Images

 それでも、主軸たちの相次ぐ退団を示唆する発言にフロレンティーノ・ペレス会長は動じない。

「クリスティアーノ? 彼はいつもこのことについて話し、そして何も起きていない」

 C・ロナウドの退団騒動に加え、来るべき夏ではネイマールでの加入が噂されている。地元メディアは「ロナウド、ネイマール、どちらの方がレアル・マドリードにとって有益か?」といったテーマでCL決勝後から3、4日間議論していたが、突如大きな現実が目の前に現れ、噂に近い空想はすぐさま吹き飛ぶ。5月31日にジネディーヌ・ジダン監督が、退任を発表したからだ。

「勝ち続けるためには、変化が必要だ」

 フランス人指揮官は、そう落ち着いた口調で語った。ジダン監督は在任2シーズン半で公式戦149試合104勝29分16敗393得点160失点を記録し、CL3連覇、リーガ・エスパニョーラ、クラブワールドカップ連覇、欧州スーパーカップ連覇、スペイン・スーパーカップと9つのタイトルを獲得。電撃的な退任はサプライズだったが、マドリディスタも含めて多くの人がその勇断を支持する。6月1日のスペイン紙『アス』では「ジダンのレアル・マドリード退団は的確か?」という問いのインターネット調査で5万178人の有効投票の内、73パーセントは「的確だ」と返答している。

「物事をきちんと見た時、最善なのは私が監督を辞めることだ。そして愚かなことをするべきではないと思った」と言ったように、明快に動機を語ったことも好感をもたれたようだ。フランス人指揮官は現役引退時同様に、監督としてもマドリディスタ(レアル・マドリードのファンの愛称)から愛され、惜しまれながら退団した。そして地元メディアはジダン監督の後任が誰になるのかを連日報道している。

ジダン

愛するクラブを去ったジダン監督(右) [写真]=Getty Images

 このように、CL優勝から時間が経っても欧州王者が話題を独占しているのだ。

 リーグ王者となったバルセロナの話題をキャッチするには、ある程度耳を傾けなければいけない。あれだけ盛り上がっていたフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンの移籍も、自然と耳に入ってこなくなった。街中の会話もレアル・マドリードの話題ばかり。こういった現状を見るかぎり、バルセロナはリーグとコパ・デル・レイの2冠を達成し、アトレティコ・マドリードもヨーロッパリーグを勝ち取ったが、やはり今現在はCL制覇がもっとも価値が大きい。ましてや3連覇。ワールドカップ開幕までレアル・マドリードの話題が人々の会話の主役だろう。

文=座間健司

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