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“最強トリデンテ”の解体と宿命のライバルに喫した大敗…前途多難に思われたバルサがリーグ優勝を果たすまで

2018.04.30

2017-18シーズンを無敗で制したバルセロナ [写真]=Getty Images

 バルセロナがリーガ・エスパニョーラ第35節のデポルティーボ戦に4-2で勝利し、2017-18シーズンのリーグ優勝を手中に収めた。2位のアトレティコ・マドリードに勝ち点11差をつけての優勝決定となったわけだが、今シーズンが始まる前、チームは決して優勝の「大本命」に挙げられていたわけではなかった。苦戦が予想されたシーズンにおいて、彼らはいかに栄光を勝ち取ったのか。優勝までの軌跡を振り返る。

①ネイマールの退団による“最強トリデンテ”の解体
 2017年夏、バルサに激震が走った。2013-14シーズンに加入後、圧倒的なテクニックと類まれな得点力でファンのアイドルとなっていたネイマールが、約2億2200万ユーロでパリ・サンジェルマンに移籍。リオネル・メッシ、ルイス・スアレスと形成していた“トリデンテ”は、思わぬ形で解体された。

「巨額の契約解除金を支払えるクラブなどあるはずがない」と高を括っていたクラブは“次世代のエース”を失い、その穴埋めもままならない状態でシーズンを迎えることになる。

“メッシ後”のバルサでエースになることを見込まれていたネイマールは、クラブに巨額の移籍金を残してパリへと去った [写真]=Icon Sport

②スーペルコパでレアルに大敗
 前年度のリーガ王者とコパ・デル・レイ王者が激突する、スーペルコパ。新シーズンを占うこの大会において、国王杯のタイトルホルダーであるバルサはリーガ覇者のレアル・マドリードと対戦した。

 だが、ホームでの第1戦を1-3で落とすと、レアルの本拠地に乗り込んだ第2戦も0-2で敗戦。内容でも相手に完全に上回られての完敗だった。とりわけ深刻だったのは「ネイマールの抜けた穴をどう補うのか」という問題の解決策を示せなかったことだ。宿命のライバルに手痛い敗北を喫したバルサには、暗く重苦しい雰囲気が漂っていた。

新シーズンの到来を告げるスーペルコパで、宿敵レアルに2戦合計1-5で大敗。早くもタイトルを一つ失う結果に [写真]=Getty Images

③“1億ユーロ超えの男”デンベレの負傷離脱
 ネイマールがクラブに残した巨額の移籍金を元手にクラブが連れてきたのが、ドルトムントに所属していたウスマン・デンベレだった。若干20歳にして約1億1500万ユーロの値札をつけられた逸材に対して、多くのファンがその金額に見合う活躍を期待した。

 しかし、デンベレのバルサ生活はいきなり悲劇に見舞われる。リーガ第4節のヘタフェ戦、初先発を果たした試合で後半26分に左足を負傷。のちの検査で大腿二頭筋腱の損傷と診断され、長期の離脱を強いられることになった。

期待のルーキーがはまった負傷という名の落とし穴。デンベレにとってもバルサにとっても痛い出来事だった [写真]=Getty Images

④期待値が低かった新加入パウリーニョの活躍
 ここで、時計の針を2017年の夏に巻き戻そう。明るい話題が少なかったオフシーズンにおいて、それを象徴するような出来事の一つがパウリーニョの補強だった。クラブが広州恒大から約4000万ユーロで獲得したブラジル代表MFは、29歳という年齢に加え、高額の移籍金を擁したことでファンの批判の対象に。当時の地元紙のアンケートでは、実に約85%ものファンが彼に「ノー」を突き付けていた。

 だが、そんな外野の不安や不満はすぐに消え去ることになる。強靭なフィジカルを生かしたパワフルなプレーを持ち味とする“肉体派”は、中盤からの飛び出しや空中戦の強さでチームに貢献。“バルサらしからぬ”キャラクターがチームの弱点をきっちり補い、いつしかバルサのキーマンと言える存在となった。

多くのファンから「不要」と見なされていた新戦力のパウリーニョ。自身へのネガティブな見方を実力で覆してみせた [写真]=Getty Images

⑤4-4-2システムの“発見”によって、もたらされた安定
 今シーズンからバルサを率いるエルネスト・バルベルデは、デンベレの負傷離脱によってチーム編成の再構築を余儀なくされた。サイドプレーヤーのデンベレを欠くなかでも、ウイングタイプの選手を配置する伝統の4-3-3に固執するのか、それとも既存の選手たちに合った別のシステムを模索するのか--。

 デンベレの穴埋めを期待されたジェラール・デウロフェウが結果を残せずにいると、指揮官はスアレスとメッシを2トップ気味に配置する4-4-2システムを試しだした。すると、中盤が厚くなって試合の主導権を握れるようになったことでチームのパフォーマンスは安定。シーズン開幕前に多くの疑問符をつけられていたバルサは、第16節まで13勝3分けと圧倒的な成績でリーガを駆け抜けた。そして第17節、スーペルコパで完敗したレアルとの『エル・クラシコ』を迎えるのである。

バルサ伝統の4-3-3から、4-4-2へとシステムを変更したバルベルデ。この決断がチームに安定感をもたらした [写真]=Getty Images

⑥「自信」が「確信」へと変わった『エル・クラシコ』
 クラシコを前にして、バルサとレアルの立ち位置はリーガ開幕前とは真逆になっていた。連覇が期待されていたレアルは、序盤戦でベティスやジローナに白星を献上しただけでなく、レバンテやアスレティック・ビルバオにも勝ちきれず、多くの勝ち点を失った。一方のバルサは、試行錯誤の末に見つけた4-4-2システムのもとで、抜群の安定感を披露。消化試合の少ないレアルに暫定で勝ち点11の差をつけ、クラシコの開始を告げる笛を聞くことになった。

 前半はホームのレアルがペースを握り、クリスティアーノ・ロナウドが、カリム・ベンゼマが度々バルサゴールを脅かした。しかし、レアルの嵐のような攻撃を無失点でしのぎきり、ハーフタイムに問題点を修正したバルサは、後半に反撃に出る。ボールを支配する時間を増やして試合をコントロールすると、セルジ・ロベルトのパスを受けたスアレスが先制点を奪取。その後、メッシがPKをきっちり決めると、最後はメッシのアシストからアレイシ・ビダルがゴールを挙げた。バルベルデの修正プランを忠実に実行し、敵地で3-0の快勝。着実に勝ち点を積み上げてきたことで得た「自信」は、クラシコでの勝利によって「確信」へと変わった。

リーガ第17節のクラシコでは、レアルを3-0で粉砕。スーペルコパの借りを返した [写真]=TF-Images via Getty Images

⑦クラシコ後も止まらぬ勢い、そして通算25回目のリーグ優勝へ
 3-0で勝利を収めたクラシコ以降も、バルサは勝ち点を積み上げ続けた。16試合を11勝5分と圧倒的な成績で駆け抜け、後続を大きく引き離していく。“鬼門”アノエタでのレアル・ソシエダ戦(4-2で勝利)や、本拠地カンプ・ノウでのアトレティコ・マドリード戦(1-0で勝利)など難しい試合も多々あったが、チーム一丸となって乗り切った。

 そして、ついにその時が訪れる。第35節、バルサは敵地リアソールでデポルティーボと対戦。メッシがハットトリックの活躍を見せて4-2でガリシアのチームを下し、2シーズンぶり通算25回目のリーグ制覇を成し遂げた。また、デポルティーボ戦の勝利で、昨季から続くリーグ無敗記録は「41」にまで伸びている。

 降りかかる様々な苦境を乗り越え、優勝という栄誉を勝ち取ったバルサ。決して“予定された優勝”ではなかったからこそ、タイトルの価値はさらに増すことだろう。

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