レアル・マドリードを破ってクラブ史上初のベスト4進出を決めたレガネス [写真]=Action Plus via Getty Images
コパ・デル・レイ(スペイン国王杯)準々決勝で、レアル・マドリードがレガネスを相手に敗退するという、今大会最大のサプライズが起きた。24日に行われたセカンドレグ、スコアは1-2。ファーストレグとの合計で2-2と並び、アウェイゴールの差によってレアル・マドリードの敗退が決まった。
ホームでのファーストレグで1-0と辛くも勝利を収めたレアル・マドリードは、セカンドレグでもポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドら大半の主力を温存。すると、ファーストレグと同様にレガネスのプレッシングに苦しめられてしまう。流れを掴めないまま迎えた31分、モロッコ代表DFアクラフ・ハキミの難しいバックパスをスペイン代表DFナチョ・フェルナンデスがトラップミス。これを奪ったレガネスのスペイン人MFハビエル・エラソに豪快なミドルシュートを決められ、2試合合計で1-1と同点に追い付かれてしまう。
前半は枠内シュートを1本も放てなかったレアル・マドリードだが、後半開始直後の47分、フランス人FWカリム・ベンゼマがゴールを決め、2試合合計2-1とリードを奪う。ところがわずか8分後の55分、エラソの右CKからブラジル人MFガブリエウに強烈なヘディングシュートを突き刺されてしまった。
2試合合計で2-2とされ、アウェイゴールの差によって敗退の危機を迎えたレアル・マドリード。負傷から復帰したスペイン代表DFセルヒオ・ラモスが終盤に放ったヘディングシュートも相手GKの好セーブに阻まれ、格下のレガネスに大金星を与えてしまった。
本拠地サンティアゴ・ベルナベウで喫したまさかの黒星を受け、“ご贔屓紙”とも揶揄される『アス』も厳しい評価を下した。先発11選手のうち、ベンゼマ、スペイン代表FWルーカス・バスケス、S・ラモスを除く8選手に最低評価の「0」がつけられている。
試合後の会見でジネディーヌ・ジダン監督は「明らかな失態だ。責任は私にある」と述べた。リーガ・エスパニョーラでは首位バルセロナから19ポイント差と連覇が極めて厳しいうえ、コパ・デル・レイでも敗退。指揮官はチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦のパリ・サンジェルマン戦に「進退を懸ける」との覚悟を示した。
一方、クラブ史に残る番狂わせを演じたレガネスだが、2013年からチームを率いているアシエル・ガリターノ監督は「レアル・マドリードを撃破して最高に嬉しいか?」との質問を受けると、意外とも正直とも言える感想を漏らした。
「いや、これが最高だとは思わない。(2014年の)3部から2部への昇格の方が、レガネスにとって重要だった。あれを機に、我々は毎年レベルアップを図ってきた。コパではすでに偉業を成し遂げたので、(昇格初年度で残留を達成した)昨シーズンのようにリーガでもしっかりと戦っていきたい。間違いなく今日の勝利がチームを一段と強くしてくれるはずだ」
コパ・デル・レイでの対戦は予想外の結果に終わった。レアル・マドリードのFIFAクラブワールドカップ出場によって第16節が延期となっているため、リーガ・エスパニョーラではまだ顔を合わせていない。残り2回の激突は、因縁の対決として大きな注目を集めることだろう。
文=北村敦