2017.11.07

【コラム】2000年生まれの楽しみな将来…「偉大な経験」がスペインをさらに強くする

またしてもタイトルを逃したが、称賛の声が相次いでいる [写真]=LightRocket via Getty Images
フリーライター&フォトグラファー。スペインで活動中。

 近い将来、この涙を糧に代表の主軸となる選手は現れるのか。

 U-17スペイン代表は、FIFA U-17 ワールドカップインド2017の決勝戦で敗れた。10月28日に行われた決勝戦でスペインは、U-17イングランド代表に2-5と衝撃的な逆転負け。バルセロナの下部組織に所属するセルヒオ・ゴメスの2ゴールで先行したが、その後に5点を奪われる。そして、同カテゴリーで初めてとなる世界王者のタイトルをまたしても逃してしまった。

先制に成功するも、逆転負けで優勝を逃した [写真]=LightRocket via Getty Images

 とはいえ、その結果は好意的に受け止められている。

 スペイン代表を率いるフレン・ロペテギ監督は自身のTwitterで「君たちがこの大会でやってきたことを誇りに思う。選手として成長するために偉大な経験だった」と称えれば、キャプテンを務めるセルヒオ・ラモスも「僕たちのU-17スペイン代表を誇りに思う。W杯準優勝の事実は主張していかなければならない」とツイートした。

 スペインがU-17W杯決勝で敗れたのは、今回で4回目となる。1991年イタリア大会では決勝でガーナに敗れ、2003年フィランド大会では決勝でブラジルに負けた。2007年韓国大会ではPK戦の末、0-3でナイジェリアに惜敗。このカテゴリーでの世界タイトルだけがスペインサッカー連盟には欠けている。だが、タイトルこそ奪えていないが、U-17W杯はロペテギ監督の言葉通り「選手として成長するための偉大な経験」を若者に与えてきた。

 2003年のチームにはセスク・ファブレガスとダビド・シルバがおり、2007年のチームにはダビド・デ・ヘア、アシエル・イジャラメンディ、ナチョ・フェルナンデスが招集されていた。彼らは来年のロシアW杯で活躍が期待される選手たちだ。2003年の2人に至っては、U-17で敗れた7年後にA代表の一員として、南アフリカでW杯を勝ち取った。

育成年代の経験が後のA代表につながる [写真]=Icon Sport via Getty Images

 今回のチームはタレントも多く、地元メディアはページを割いて取り上げるなど関心は高かった。当然ながら大会が勝ち進むにつれて、2000年生まれの選手たちに期待する声は大きくなっていた。タイトルを奪えなかったが、その敗戦を悲観する人は少ない。むしろ今の結果よりも彼らの将来に期待する声が大きくなった。

 スペイン紙『アス』にはバルセロナに所属し、同大会で6試合7得点とキャプテンとしてチームをけん引したアベル・ルイスの試合後コメントが掲載されていた。

「2000年生まれのこの世代は将来的に多くの喜びを与えると思う?」という質問に「そうなるに決まっている。このグループは一緒になってもっと前に進めるし、大きなことをなし遂げられる」と返答した。有言実行なるか。スペイン人は自分の愛するチームのライバルクラブにいれば罵声を飛ばすこともあるだろうが、それも含めて楽しみに彼らの今後を追っていくのだろう。

文=座間健司

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