2016.12.01

【コラム】首位で“クラシコ”迎えるレアル、目立つのはバルサと対照的な選手層の厚さ

レアル・マドリード
アトレティコ戦ではイスコ(前列左から2番目)やナチョ(後列右から2番目)らが好プレーを披露した [写真]=NurPhoto via Getty Images
フリーライター&フォトグラファー。スペインで活動中。

 レアル・マドリードのイスコの活躍が、紙面を賑わせる。リーガ・エスパニョーラ第12節、アトレティコ・マドリードとのダービーでは、クリスティアーノ・ロナウドがハットトリックを達成したが、主役は彼だけではなかった。

 スペイン紙『アス』は「クリスティアーノが判を押し、イスコの芸術作品」という見出しで「イスコにとってレアル・マドリードのユニフォームを着て、最高のゲーム。攻撃はすべて彼を経由した。芸術と権威を兼ね備えていた」と手放しで称えた。イスコはポルトガル人ストライカーの背後にポジションをとり、ディフェンスは自分の後方にいるルカ・モドリッチとマテオ・コヴァチッチの2人のクロアチア人に任せて攻撃をけん引し、91.7パーセントのパス(44本)を成功させた。

 ジネディーヌ・ジダン監督は試合後の会見で、「イスコのゲームでした。カゼミーロが戻ってきた時に問題になるのでは?」という問いに「問題? 私はイスコの試合と記憶したい。素晴らしい試合だった。1度もボールを失っていない。クリスティアーノの背後が彼にとって、ベストのポジションだ。ゲームに出場した選手も、していない選手も全員が試合に参加していたことに満足している。セルヒオ・ラモスはベンチからチームを後押ししていた」と返答した。

 ダービーに挑んだレアル・マドリードは、カリム・ベンゼマ、セルヒオ・ラモスが控えで、ナチョ・フェルナンデスとルーカス・バスケスが先発で出場した。フランス人指揮官は100パーセントの状態の選手を起用したことを明言し、「リスクを冒すことは考えていない」と説明した。起用されたスペイン人2選手も、イスコのように周囲を満足させるパフォーマンスを示した。

 イスコはカゼミーロ、トニ・クロースの負傷により出場機会を手にした。ナチョもバスケスもS・ラモス、ベンゼマが負傷で出場機会を得ると結果を出した。エースであるリオネル・メッシがいなくなると途端に勝てなくなるバルセロナとは対照的だ。レアル・マドリードの悩みの種は大金を投じて獲得した2014年のワールドカップのスター、コロンビア代表MFハメス・ロドリゲスだけ。移籍金7000万ユーロ(約86億円)に年俸約700万ユーロ(約8億6000万円)という金額とマドリディスタの期待に見合うパフォーマンスを示せていない。課題はディフェンスへの献身にあると言われていたが、12節のダービーではイスコがトップ下で起用された。この日のイスコは、ディフェンスへの負担は少なく、攻撃の全権を任された。つまりジダン監督の中でハメスよりもイスコの方が優先順位が高いのが明白となった。

 レアル・マドリードのスタメン争いはし烈だ。クロース、ギャレス・ベイル、S・ラモスといった主力を欠いても、イスコを始め、普段はベンチに座る選手が彼らの不在を感じさせない活躍をする。しかし、そんなクオリティの高い選手たちを欧州の強豪クラブが放っておくはずがない。

 イスコにはプレミアリーグのクラブから年俸1000万ユーロ(約12億円)というオファーが届いているという。イスコは現在クラブと契約延長を交渉しているが、条件が良くなっても、イングランドから来るオファーのような額のサラリーは手にできない。交渉が注目されているが、レアル・マドリードのサブ選手のクオリティが高いことはこういったニュースからも読み取れる。ナチョも「クラブでは試合に出場していないのに、スペイン代表に招集されている」と揶揄されるが、出場すればその都度自身の真価を実証し、多くのクラブが獲得に関心を抱いている。

 リーガ序盤戦、レアル・マドリードの選手層の厚さが目立つ。負傷したアンドレス・イニエスタの“エル・クラシコ”での復帰を心待ちにしているバルセロナとは対照的だ。

文=座間健司

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