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バイエルン指揮官、自身を解雇したレアル会長を暗に批判「両クラブの違いは…」

2016.09.23

2013年のレアル就任会見にジダン氏(左)、ペレス会長(右)と出席したアンチェロッティ監督 [写真]=Getty Images

 バイエルンを率いるカルロ・アンチェロッティ監督が、フランス紙『レキップ』とのインタビューで古巣であるレアル・マドリードについて刺激的なコメントを残した。

 昨シーズン、11度目のチャンピオンズリーグ(CL)制覇を果したレアル・マドリードは、今シーズンもリーガ・エスパニョーラで首位に立つなど、ジネディーヌ・ジダン監督の下でチームが上手く機能している。

 しかし、ヨーロッパ王者に輝いた昨シーズンを振り返ってみると、選手からもサポーターからも信頼の厚かったアンチェロッティ監督を解任し、逆に好印象を持たれていなかったラファエル・ベニテス監督(現ニューカッスル指揮官)を招へいしてスタートしたチームは成績不振に陥るなど混乱を極めた。

 結局、ベニテス監督を就任からわずか半年で解任し、ジダン監督をBチームからトップチームの指揮官へと昇進させたことで軌道修正に成功したレアル・マドリードだが、これは予定外の人事であり怪我の功名に過ぎない。

 クラブのトップに君臨するフロレンティーノ・ペレス会長は、ジダン監督が現役時代にプレーした“銀河系軍団”と呼ばれたチームでも、CLのタイトルをもたらしたビセンテ・デル・ボスケ監督を解雇したことで低迷期を招くなど、強権発動が失敗に終わることが多い。

 アンチェロッティ監督も自身の解任は不当だったと確信を持っているようで、ドイツ代表の伝説的選手であるバイエルンのフランツ・ベッケンバウアー名誉会長と比較することで、レアル・マドリードの名物会長を暗に批判した。

「レアルもバイエルンもクラブとしては非常に似ている。両者の違いは、片方は元選手でサッカーを知っているトップがクラブを見守っていることだろう」

 その一方でアンチェロッティ監督は、自身の愛弟子であるジダン監督については、高い指導力や影の努力を称賛している。

「ジダン監督にはカリスマがあり、選手たちから強い支持を受けている。それは私のアシスタントを務めていた頃からすでに見られており、チームをまとめるうえでの鍵となる。レアル・マドリードはジダン監督の就任により全てが変わった。ベニテス監督とは問題を抱えていた選手たちも、ジダン監督には付いて行っている。私のアシスタントやカスティージャ(Bチーム)の監督を務めたことで、ジダン監督は指導者としてものすごく勉強した。クラブを熟知するジダン監督に支えられた今のレアルは、素晴らしい雰囲気に包まれている」

文=北村敦

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