アシストを記録するなど存在感を示した清武 [写真]=ムツ カワモリ
リーガ・エスパニョーラ第4節が17日に行われ、MF乾貴士が所属するエイバルと日本代表MF清武弘嗣が所属するセビージャが対戦した。
スペインで初の日本人対決が期待されたこの一戦。かつてセレッソ大阪で同僚だった2人が同時にピッチに立つことが期待されたが、乾がベンチ外となり残念ながら実現に至らなかった。ここまで2勝1敗で2位と好調なスタートを切っているセビージャは、ミッドウィークにUEFAチャンピオンズリーグ(CL)・グループステージ第1節でユヴェントスを相手に引き分けを演じた。エイバルも6位につけており、好調な2チームが激突することとなった。
セビージャは清武が先発出場。ニコラス・パレハやスティーヴン・エンゾンジなど、レギュラー級の選手がターンオーバーでベンチを外れている。サミル・ナスリも感染症によりメンバー外。そのほか新加入のGKサルヴァトーレ・シリグやウィサム・ベン・イェデル、ルシアーノ・ビエットらがスタメンに名を連ねている。エイバルはべべや、2試合連続ゴールを挙げているペドロ・レオンなど新戦力が起用された。
最初のチャンスはセビージャに訪れた。エリア手前右の絶妙な位置でフリーキックを獲得すると、これをガンソが直接狙ったが、ゴール右上の隅へのシュートはGKジョエル・ロドリゲスがキャッチ。エイバルもペドロ・レオンが左サイドからドリブルで切り込みディフェンスの隙間からゴールを狙ったが、こちらもGKシリグがキャッチしている。
22分にエイバルが決定機を迎えた。セビージャのGKシリグのパスを右サイドのゴールライン際でカット。逆サイドから走り込んだべべに鋭いパスが送られると、同選手は抑えのきいた低い弾道のシュートを放ったが、ディフェンダーがブロック。セビージャはミスからピンチを迎えたが難を逃れた。しかし、その後もエイバルがエリア内にボールを持ち込む時間が続く。
流れの悪いセビージャだったが、清武の活躍から27分に先制する。中盤でボールを持つと、ドリブルでエリア手前まで駆け上がり、エリア右に走り込んでいたビエットへスルーパスを通す。ビエットは落ち着いてゴールに流し込み、先制に成功した。
このまま前半終了かと思われた45分、セビージャはガンソが鋭いスルーパスをエリア手前左に通す。抜け出したホアキン・コレアに対しGKジョエルがスライディング。コレアが転倒すると主審は笛を吹き、ジョエルに一発レッドカードの退場を命じた。エイバルは前節GKアシエル・リエスゴが退場となっており、2試合連続で苦しい戦いを強いられることになった。
ホルヘ・サンパオリ監督は後半開始からベン・イェデルに代えてビトーロを投入。直後にはダニエル・カリーソが負傷で交代しした。前半にアディル・ラミもケガでピッチを去っているセビージャは、後半開始早々に交代枠を使い切った。一方のエイバルもホセ・ルイス・メンディリバル監督が退席処分となり、より厳しい状況に追い込まれている。
64分、エイバルは右サイドをアントニオ・ルナが駆け上がり、低い弾道のボールを中に供給。ゴール前で落ち着いてトラップしたペドロ・レオンがGKシリグの位置を見て冷静にゴールに叩き込む。同選手の3試合連続得点で試合は振り出しに戻った。
同点弾の後は、1人少ないエイバルが流れを掴み、多くのチャンスを作るがなかなかゴールをこじ開けることができない。80分にはエリア内でペドロ・レオンが倒されたが、ファールはもらえず、PK獲得とはいかなかった。セビージャも83分、右サイドからのクロスが逆サイドに流れたところを、ビエットが走り込んでシュートしたがサイドネットにかかってしまった。
87分、セビージャはカウンターでビエットが抜け出す。エイバルのダニ・ガルシアは後ろからタックルを仕掛け、ビエットが転倒し、主審はレッドカードを提示してガルシアに退場を命じた。左サイドで獲得したフリーキックを清武がエリア内に蹴り込むと、ガブリエル・メルカドが頭でピタリと合わせたが、惜しくもGKの正面でキャッチされた。
試合はそのまま終了し、1−1の引き分けに終わっている。
By サッカーキング編集部
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