2015.10.17

レアルの“レジェンド”ラウールが現役引退へ…栄光に満ちた21年間のキャリアを辿る

ラウール
レアルのエースとして数々の栄光に輝いたラウール [写真]=Getty Images
「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

 また1人、サッカー界のレジェンドがスパイクを脱ぐ決断を下した。

 元スペイン代表FWラウール・ゴンサレスが15日、現役引退を表明。現所属クラブであるアメリカのNASL(北米サッカーリーグ、アメリカ2部相当)ニューヨーク・コスモスのシーズンが終了する11月限りで、選手生活にピリオドを打つと宣言した。

 現在38歳のラウールがプロデビューを果たしたのは、今から21年前のこと。レアル・マドリード在籍当時の1994年10月29日、敵地でのサラゴサ戦で初めてリーガ・エスパニョーラのピッチに立った。以来、21年間に及ぶキャリアで積み上げた記録は、「圧巻」の一言である。代表戦を含めて、通算の公式戦出場数は1059試合を数え、その間に462ゴールをマーク。獲得したタイトルは、22に及ぶ(注:個人タイトルは除く)。

 もっとも、ラウールの偉大さは、記録に残らない部分にこそ存在している。ピッチに立てば、ゴールを狙うのはもちろん、前線からのチェイシングや楔のパスの引き出す動きなど、常に足を動かしてチームのためにプレーする。その献身的な姿は、ジネディーヌ・ジダン、ロナウド、ロベルト・カルロス、ルイス・フィーゴらが在籍した“銀河系軍団”で、特に異彩を放っていた。

 自分の立場でどうであれ、誰よりも汗をかき、誰よりもファイトする“働き者”。そんなラウールに、多くのファンが心を奪われたのはもちろんのこと、同業者からも多くの賛辞が送られた。

「ラウールは飾らない人柄で、常にチームのためにプレーし、決して自分優先になることがない。だから好きなんだ」

 そう語ったのは、2002-03シーズンのチャンピオンズリーグ準決勝で、当時ラウールが在籍するレアルと対戦したユヴェントスMFパヴェル・ネドヴェドである。また、シャルケで2年間にわたってチームメイトだった日本代表DF内田篤人も、「献身的で守備もしてくれるが、それでいて点も取る。ああいう選手がいると後ろが楽」とラウールの存在価値を語ったことがある。

 一方で、ラウールは非常に紳士的な選手としても有名だった。実際、長きにわたるプロキャリアで、1度も退場したことがない。レアルには「常に紳士たれ!」という哲学があるが、ドイツ、カタール、アメリカと続いた海外生活でも、そのポリシーに反するような振る舞いをしたことがなかった。それゆえ、ドイツでは、ファンから「セニョール・ラウール」と呼ばれ、シャルケ退団時には、背番号7が一時的に永久欠番とされたほどだった。

 そんなプロの鑑であったラウールだが、順風満帆なキャリアを歩んできたわけではない。2010年のレアル退団時には、一切のセレモニーが開かれず、フロレンティーノ・ペレス会長による短い賛辞が捧げられただけだった。今もなお、クラブの歴代最多出場記録を保持する者にしては、寂しすぎるお別れだったと言える。

 またスペイン代表での最後も、実に呆気ないものだった。2006年9月、ユーロ2008予選の北アイルランド戦での出場を最後に、2度と招集されることがなかったのだ。故ルイス・アラゴネス監督のこの決断は、明確な理由がなかったために、彼を招集すべきか否かという“ラウール論争”を巻き起こすことになる。だが、スペイン代表はユーロ2008の本大会で44年ぶりの国際大会優勝を達成。以降、黄金時代を謳歌するスペイン国内で、ラウール待望論が聞かれることはなかった。それまで代表のエースの看板を背負ってきたラウールにとっては、皮肉としか言いようがないだろう。

 17歳で華々しいプロデビューを果たして以降、数々の栄光を勝ち取ってきたレアル時代に比べれば、晩年はやや尻すぼみの感は否めない。それでも、その輝きが失われることはないはずだ。山あり谷ありのキャリアであったからこそ、そのカリスマ性はより際立ち、伝説の選手となったのだから。

「お静かに。レジェンドが立ち去るぞ」

 ラウールの引退発表翌日、スペイン紙『マルカ』は一面にそう見出しをつけた。その横には、1999年10月、カンプ・ノウのクラシコで得点を決めた後で、スタンドの大観衆に向かって口に人差し指を当てて「静かにしろ」というメッセージを込めたラウールの有名なポーズがある。

 派手さはなくとも、どこか気品を漂わせるサッカー選手であったラウール。静かに、しかし確かな足跡を残していくその去り際も、まさに彼らしいものだった。

(記事/Footmedia)

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