2015.09.12

“アジア・マネー” がリーガの移籍市場を席捲…バルサ&レアルの独占体制を崩す

アトレティコ・マドリード バレンシア
移籍市場を席捲したアトレティコ・マドリード(左)とバレンシア(右) [写真]=Getty images

 今夏、リーガ・エスパニョーラ1部の20チームは補強に合計5億7000万ユーロ(約773億円)を費やし、ひと夏での同リーグ史上最高額を記録した。例年のスペイン移籍市場ではバルセロナとレアル・マドリードが大金をつぎ込んで主役を演じていたが、今夏は“アジア・マネー”が注目を集めた。

 スペインメディア『Besoccer』によると、今夏の移籍市場でもっとも補強費を使ったスペインのクラブが、史上初めてバルセロナとレアル・マドリード以外だったという。

 スペインの2大ビッグクラブとして知られるバルセロナとレアル・マドリードは、毎シーズンのように大型補強を行ってきた。2013年夏にはバルセロナがブラジル代表FWネイマール、レアル・マドリードがウェールズ代表MFギャレス・ベイルを獲得。2014年夏にはバルセロナがウルグアイ代表FWルイス・スアレス、レアル・マドリードがコロンビア代表MFハメス・ロドリゲスらをチームに加え、強力なスカッドを作り上げてきた。

 しかし、今夏の移籍市場ではFIFA(国際サッカー連盟)から補強禁止(選手登録禁止)処分を受けているバルセロナが大型補強を行わず、アトレティコ・マドリードからトルコ代表MFアルダ・トゥラン、セビージャからスペイン代表MFアレイクス・ビダルを獲得するにとどまった。両選手の獲得に費やした金額は5100万ユーロ(約69億5000万円)で、リーグ全体では4番目。1億5700万ユーロ(約216億円)を使った昨夏の3分の1程度の金額になっている。

 レアル・マドリードはフロレンティーノ・ペレス会長体制下で5番目に高額な8600万ユーロ(約117億1000万円)を補強費として投入。クロアチア代表MFマテオ・コヴァチッチやブラジル代表DFダニーロらをチームに加えたが、マンチェスター・Uのスペイン代表GKダビド・デ・ヘアの獲得が不成立に終わったため、トップに立つことはなかった。

 両クラブに代わり、史上初めてスペインのトップに立ったのはアトレティコ・マドリード。ビッグネームこそ多くなかったが、コロンビア代表FWジャクソン・マルティネスやアルゼンチン人FWルシアーノ・ビエット、ベルギー代表MFヤニック・フェレイラ・カラスコなど多くの実力者をチームに加え、その補強費用は1億4000万ユーロ(約190億4000万円)に上った。

 また、バレンシアもバルセロナとレアル・マドリードを上回る9900万ユーロ(約134億8000万円)を投入し、チュニジア代表DFアイメン・アブデヌールらを獲得。アトレティコ・マドリードに次ぐ2位に食い込んだ。

 多額な補強費を使い、バルセロナとレアル・マドリードを上回った両チームにはある共通点があった。

 バレンシアは昨年10月にシンガポールの実業家ピーター・リム氏がクラブを買収。総資産24億ドル(約2896億円)と伝えられている同氏は、莫大な資金を用いて多額の負債を抱えていたクラブを立て直した。

 また、アトレティコ・マドリードも同年10月に中国不動産大手ワンダ・グループ会長である王建林(ワン・ジエンリン)氏が資本参加を表明。総資産は130億ドル(約1兆3650億円)と見られ、世界長者番付で82位にランクインする大物が経営陣に加わり、大きな後ろ盾を手にする形となった。

 スペインの移籍市場は長らくバルセロナとレアル・マドリードに支配されていたが、今夏に勢力図が大きく変動した。その背景には、急速に発展を遂げる“アジア・マネー”の力が影響していたようだ。

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