2015.07.14

補強禁止のバルセロナ、積極策は選挙活動? スキャンダルのカモフラージュが目的か

チーム登録は来年1月からとなるアレイクス・ビダル(左)とアルダ・トゥラン [写真]=Getty Images
フリーライター&フォトグラファー。スペインで活動中。

文=座間健司

 三冠王者バルセロナの移籍市場の動きが活発だ。まずはセビージャからアレイクス・ビダルを獲得。その後には、ユヴェントスに所属するフランス代表MFポール・ポグバと2016年夏加入で合意したというニュースが紙面をおどれば、7月6日にはアトレティコ・マドリードのトルコ代表MFアルダ・トゥラン加入が正式に決定した。

 アルダ・トゥランはルイス・エンリケ監督の意思が決め手となったようだ。多くのタイトルをもたらした監督に対するクラブからのご褒美の意味合いもあるのだろう。三冠を達成した監督だ。発言権が大きくなるのは、自然の成り行きだ。

 ジョゼップ・マリア・バルトメウは自身も立候補している会長選のために、職を辞さなければならなかったが、自身の任期の最後にダニエウ・アウヴェスとルイス・エンリケとの契約延長をまとめた。

 その後の契約についてはバルトメウが公に「選挙戦のために私たちが契約しました」と認めるはずはないが、周知の事実だ。会長がいないのに「バルセロナはなぜ選手の獲得を進められるんだ?」という愚問は聞こえない。

 アルダ・トゥランの契約条項には、7月18日の会長選の結果によっては、クラブは7月20日までアトレティコ・マドリードに同選手を3400万ユーロ(約46億円)から10パーセント引いた額で売却できるとある。つまりバルトメウが選挙戦に勝たなければ、アルダはアトレティコ・マドリードに戻る可能性が高い。

 会長選でバルトメウとともに有力候補の1人である元会長ジョアン・ラポルタはこういった積極的な補強を選挙のキャンペーンの一環と断罪。財務の管理も考えていないと指摘する。バルトメウが副会長、もしくは会長の在任中に起きた「未成年選手の国際移籍・登録における規定違反」「ネイマールの移籍における脱税疑惑」などのスキャンダルを“有権者”であるクレに思い出せないように「アルダ入団」という派手なニュースでカモフラージュしている。

 三冠達成により、バルトメウへの支持は今のところ、ラポルタよりも高い。しかし、この選挙期間中にもし「ネイマールの移籍時の脱税」に関する検察の新たな動きが出れば、会長選の情勢は一気に変わる可能性もある。

 もしラポルタが当選した場合、かつて元アルゼンチン代表FWハビエル・サビオラ放出されたように、バルトメウ、もしくはサンドロ・ロセイの政権下で契約した選手が放出されるだろう。サッカーだけではない。他のセクションでも多くの人事異動が起こるだろう。

 特殊なクラブだ。三冠という大成功をおさめたのに、会長をはじめ、多くの役員が変わる可能性があるのだ。そういう意味でも「クラブ以上の存在」なのかもしれない。普通のクラブではこんなことは起こらない。

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