2015.05.21

メッシがいる間、バルセロナの時代は続く…何より大切な10番の存在

メッシ
ネイマール(右)と抱き合うメッシ [写真]=Anadolu Agency/Getty Images
フリーライター&フォトグラファー。スペインで活動中。

文=座間健司

 バルセロナが17日に、2年ぶり23回目となるリーガ制覇を達成した。バルセロナはアウェーでアトレティコ・マドリードと対戦し、1-0で勝利した。奇しくもちょうど1年前のその日にバルセロナはカンプ・ノウでディエゴ・ゴディンのヘディングから1-1の同点にされ、リーガタイトルを逃していた。失望から365日後、バルセロナはアトレティコの本拠地ビセンテ・カルデロンで勝利し、優勝を決めた。

 決勝点を決めたのは、アルゼンチン代表のリオネル・メッシだ。大事なゲームで、決定的な仕事をする。優勝を決める一撃を決めたのは、このアルゼンチン人だった。

 バルセロナは国王杯、そしてチャンピオンズリーグと2つの決勝が残っており、リーガを含めて、三冠達成が現実的な目標となっている。リーガを制覇した今、快進撃のきっかけとして振り返られるのが、アノエタでの敗戦だ。

 1月4日のリーガ第17節はレアル・ソシエダの本拠地アノエタで行われた。2015年の初めてのゲームをバルセロナは落とした。クリスマス休暇から戻ったばかりのメッシ、ネイマールはベンチスタート。メッシは試合後にスタメンから外れたことに怒り、翌日の年に1度のミニスタディでの公開練習にも参加しなかった。監督とエースの確執は大きな話題となった。ルイス・エンリケはトレーニングを欠席したメッシに重い罰則を下そうとしたが、シャビ、アンドレス・イニエスタらキャプテンたちが間に入り、監督を冷静にさせ、そしてエースを説得した。メッシは全てを見返して、また世界最高の選手に戻ろうとコンディションに気をつかい、地元メディアとの関係が悪い指揮官も批評を跳ね返そうと仕事に没頭した。対立した2人は動機がそれぞれ違うにせよ、怒りという感情をエネルギーに転換させた。

 バルセロナはその翌節にカンプ・ノウでアトレティコに3-1で勝利。途中にリーガでは取りこぼしもあったが、ルイス・スアレスもゴールを量産するようになり、チームは破竹の勢いで勝利を重ねた。そのチームの中心で、決定的な仕事を果たしていたのがメッシだ。チャンピオンズリーグ準決勝ファーストレグのバイエルン戦のような決定的なゴールだけでなく、チャンスメイクでも際立つプレーを示した。

 メッシにとって、7度目のリーガ制覇となる。2004-05シーズンにリーガ制覇を達成してからバルセロナでこれまでに22タイトルを獲得。その間最大のライバルであるレアル・マドリードは10個しかタイトルを勝ち取っていない。地元メディアは「メッシがいる間はバルセロナの時代は続く」と評す。

 ライバルとして常に比較されるクリスティアーノ・ロナウドとの間でもタイトル数には差が開いた。メッシの22タイトルに対して、クリスティアーノ・ロナウドは今までのキャリアでマンチェスター・Uの10タイトル、レアル・マドリードの7タイトルと5つ少ない。現時点でもタイトル数をリードするメッシだが、今シーズンはさらに2つのタイトルを積み重ねる可能性がある。もしバルセロナが三冠を達成すれば、最も注目が集まる個人賞、バロンドールも再びメッシのものとなるだろう。

 一方で、三冠の可能性があるにしても、バルセロナのジョゼップ・マリア・バルトメウ会長とルイス・エンリケ監督の未来は不透明だ。会長は今シーズン終了後に選挙を行うと宣言した。ルイス・エンリケがいくら今の現会長が続投を願おうとバルトメウが再選しなければ2016年6月末までの契約を全うできるかはわからない。またルイス・エンリケは“アノエタの夜”の一件でテクニカルスタッフではなく、選手のメッシを支持した現フロント体制に信頼を置いていないと言われている。

 三冠というサッカー史に残る偉業を達成したとしても、会長、監督の顔ぶれは変わるかもしれない。それがいいのか、悪いのか、わからない。しかし、そんなのクレにとっては重要なことではないのかもしれない。最も大切なのは10番を着るアルゼンチン人だ。なぜなら「メッシがいる間はバルセロナの時代は続く」からだ。かつてチームに栄光をもたらしたジョゼップ・グアルディオラ率いるバイエルンをノックアウトしてから、バルセロニスタは、さらにそう考えるようになった。

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