2015.04.13

ネイマールが途中交代に激怒…バルサに再び“起用問題”の火種がくすぶる

ネイマール
セビージャ戦で大活躍したネイマール(右)だが途中交代を命じられた  [写真]=Getty Images

 11日に行われたリーガ・エスパニョーラで、首位バルセロナはセビージャ相手に2-2のドロー。2位レアル・マドリードがエイバルに勝利したため、両者の勝ち点差は2に縮まった。

 2点のリードを奪いながら追いつかれた試合展開もニュースだが、現地でより大きな話題となっているのが、ネイマールとルイス・エンリケ監督との関係だ。

 この試合に先発したネイマールは、前半だけで1ゴール・1アシストと全ての得点に関与。しかし、1点差に詰め寄られて迎えた74分に、チャビとの交代を命じられた。L・エンリケ監督としては逃げ切るための采配だったのだろうが、ネイマールにはこれが面白くなかった。

 交代ボードに自身の背番号である「11」の文字を見つけると、信じられないという表情を見せ、ピッチを出た後に、L・エンリケ監督の方を凝視しながら右手の指を口元に持っていくジャスチャーで不満を表現。そして、ベンチに座るや否や、皮肉めいた拍手をして、履いていたスパイクを脱ぎ捨てたのだ。それでも怒りの収まらないネイマールの元には、マルク・アンドレ・テア・シュテーゲンハビエル・マスチェラーノが駆け寄り、なだめるシーンも。一方、L・エンリケ監督はピッチの方を見たまま、ネイマールにねぎらいの言葉1つかけることがなかった。

 なお、ネイマールが途中交代で怒りを露わにするのは、これが初めてのことではない。2013年夏のバルセロナ入団以降、実に6度も同様の行為に及んでおり、特に今年に入ってからは今回のセビージャ戦で3度目の“不満爆発”となる。

 1月8日のコパ・デル・レイ5回戦ファーストレグ・エルチェ戦では、2ゴールを決めながら66分でベンチに下げられると、試合後に「僕はいつもプレーしていたい、ピッチを出ていくのは好きじゃない」と、L・エンリケ監督への批判とも受け取れるコメントを残した。

 ただ、ネイマールがこうした態度をとるのも、無理はないのかもしれない。セビージャ戦では、ゴールやアシストだけでなく、ルイス・スアレスへのパスや相手DFを股抜きで抜き去るなど、そのプレーはピッチ上にいた誰よりも輝いていたからだ。

 実際、現地ではL・エンリケ監督の采配にも疑問符が付けられている。バルセロナ地元スポーツ紙『スポルト』が行ったアンケートでは、指揮官の交代策に9割ものファンが「誤り」と回答。また試合後には、クラブの副会長を務めるジョルディ・メストレが、「ネイマール交代の理由が分からない」という異例のコメントを残している。

 セビージャ戦で、ネイマールは今シーズン公式戦34試合目の先発出場を果たしたが、うち15試合で途中交代。44%の“途中交代率”は、ルイス・スアレスの30%を大きく上回る。すでにバルセロナ加入1年目となった昨シーズンを上回る結果を残しているが、その起用法から、L・エンリケ監督に不満を抱えるのも止むを得ないかもしれない。

 では、なぜネイマールはそこまで途中交代が多いのか。

 ひとつ目は、やはりリオネル・メッシの存在だろう。今さら語るまでもないが、バルセロナでは、“背番号10”は唯一無二の存在だ。その定説を崩そうと、L・エンリケ監督はウインターブレイク明けに行われたレアル・ソシエダ戦で、メッシをスタメンから外すという“大ナタ”を振るった。しかし、結果はご存知のとおり。両者の確執問題に発展し、周囲が慌てて2人の仲を取り持ったという過去がある。それ以降、メッシが特別な理由なくピッチを離れる試合はない。クラブ内の序列から、ネイマールが先にピッチを退くのは止むを得ない面があるのだ。

 一方、『スポルト』のジョアキム・ピエラ記者は、L・エンリケ監督が取り入れている“ローテーション”がその理由だと指摘する。首位に立つリーガ・エスパニョーラの他、チャンピオンズリーグ、コパ・デル・レイと、バルセロナは“3冠”の可能性が残っており、これから迎える山場を前に、全選手のコンディションを万全に保っておくための措置だというものだ。調子の良い時ほど途中交代する傾向にあるネイマールだが、L・エンリケ監督はそのピークが過ぎないよう調整しているのかもしれない。

 とはいえ、L・エンリケ監督は何より“チーム”を重んじる指揮官である。昨年夏の監督就任当初から、「スター選手を特別視しない」というポリシーを掲げており、メッシとの衝突があったにせよ、それは今も揺るがない。そのため、スペイン紙『アス』でバルセロナ番を務めるサンティ・ヒメネス記者などは、「今回のネイマールの行動により、彼をスタメンから外す可能性もある」と記事をつづっている。

 そのL・エンリケ監督は、今回の件について試合後に記者から質問されると、「そういうつまらない話には参加しない。私が気になるのはサッカーであり、チームが勝つことだ。君たちメディアはそういうことに興味津々だけれど、つまらないことだ」と答え、“無駄話”に首を突っ込まなかった。

 今年初めに起きたL・エンリケ監督とメッシとの確執騒動がひと段落し、タイトル奪還へ向けて、いよいよラストスパートに入ったなかで起きた今回のネイマール事件。果たして、よくある話の1つで終わるのか、それとも新たな火種となってチームに再びの混乱をもたらすのか。バルセロナの今後が改めて注目される。

(記事/Footmedia)

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