鎌田大地フル出場のパレス、ヴィラを破りFAカップ決勝進出！　エゼ＆サールの豪快ミドル炸裂

　FAカップ準決勝が26日に行われ、クリスタル・パレスとアストン・ヴィラが対戦した。

　現在、プレミアリーグで12位につけるクリスタル・パレスと、7位のアストン・ヴィラが、ともに今季初タイトルまであと2勝というところで対戦する。クリスタル・パレスは今大会の3回戦で3部のストックポート・カウンティを1－0で破ると、4回戦では4部のドンカスター・ローヴァーズに2－0で勝利し、5回戦では2部のミルウォールを3－1で撃破。準々決勝ではフルアムとの1部対決に臨んだが、3－0と完勝し、ベスト4入りを決めた。

　一方で、アストン・ヴィラは3回戦でウェストハム、4回戦でトッテナムをともに2－1で下し、5回戦では2部のカーディフに2－0で勝利。準々決勝では2部のプレストン・ノースエンドに3－0と完勝し、準決勝の舞台に辿り着いた。

　クリスタル・パレスに所属する鎌田大地が中盤の3列目でスターティングメンバーに名を連ねた一戦は、聖地の『ウェンブリー・スタジアム』でキックオフ。試合は29分、クリス・リチャーズからの前線へのアバウトなロングボールを、ジャン・フィリップ・マテタが収める。寄せてきたエズリ・コンサをなぎ倒し、ゴールネットを揺らしたものの、ここはファウルと判定され得点は認められない。

　それでも、クリスタル・パレスはこの直後に正真正銘のゴールを記録。前線でパウ・トーレスからのパスを引っ掛けたイスマイラ・サールが、右サイドから中へ入ってマイナスへ繋ぐと、ペナルティエリア手前の位置からエベレチ・エゼが右足一閃。強烈なミドルシュートを突き刺し、クリスタル・パレスが先手を取った。

　1点を奪われたアストン・ヴィラは、セットプレーからパウ・トーレスやコンサがきわどいヘディングシュートを放つなど、ゴールに迫るシーンも作り出したが、前半はこのままクリスタル・パレスの1点リードで終了。後半に入ると、立ち上がりの49分にアストン・ヴィラがビッグチャンスを構築。右サイド高い位置からのクロスボールにジョン・マッギンがダイレクトで合わせたものの、枠を捉えた一撃はGKディーン・ヘンダーソンに阻まれる。このプレーで獲得した右コーナーキックのこぼれ球をリュカ・ディニュがミドルシュートで狙ったが、またもGKヘンダーソンが立ちはだかった。

　派手な後半の入りとなったなか、クリスタル・パレスも51分、敵陣中央でクリアボールを回収したアダム・ウォートンがスルーパスを送ると、ボックス内でエゼがブバカル・カマラに倒される。クリスタル・パレスにPKが与えられたが、マテタの放ったキックは、右ポストをかすめて枠の外へ外れた。

　クリスタル・パレスはビッグチャンスを仕留め損なったが、ゴールが取り消しとなった前半と同様に、直後に試合を動かしてみせる。58分、ピッチ中央付近で相手のパスをカットしたウォートンが前方へ繋ぐと、マテタのポストプレーを経て、前向きのサールにボールが渡る。サールはペナルティエリア手前から右足でグラウンダーのミドルシュートを沈め、クリスタル・パレスが大きな追加点を奪った。

　2点ビハインドとなったアストン・ヴィラは、レオン・ベイリー、ジェイコブ・ラムジー、ドニエル・マレンら攻撃的な交代カードを次々と切り、攻勢を強めていく。クリスタル・パレスは守勢に回る時間も増えるが、決して防戦一方ではない。安定した守備をベースに攻撃へ移るシーンも少なくはなく、80分にはペナルティエリア左でボールを受けた鎌田のクロスボールから、サールがヘディングでゴールを脅かすなど、勝負を決める3点目も狙っていく。

　後半アディショナルタイムには、エディ・エンケティアが激しいプレスバックでボールを奪い取り、スルーパスを送ると、抜け出したサールがトドメの3点目を叩き込む。試合はこのままタイムアップを迎え、クリスタル・パレス2015－16シーズン以来、9シーズンぶりにファイナルの舞台へ進出した。鎌田はフル出場を果たしている。

　決勝は5月17日に予定されており、クリスタル・パレスはノッティンガム・フォレスト対マンチェスター・シティの勝者と対戦する。

【スコア】
クリスタル・パレス　3－0　アストン・ヴィラ

【得点者】
1－0　31分　エベレチ・エゼ（クリスタル・パレス）
2－0　58分　イスマイラ・サール（クリスタル・パレス）
3－0　90＋4分　イスマイラ・サール（クリスタル・パレス）