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今冬もプレミアリーグに“ゲームチェンジャー”が到来? 過去5年の冬の移籍市場を振り返る

今冬の移籍市場でプレミアリーグに参戦した選手たち [写真]=Getty Images

 今年も1月の移籍市場が本格的に動き出した。プレミアリーグでは、リヴァプールがオランダ代表FWコーディ・ガクポを獲得し、チェルシーはFWダヴィド・ダトロ・フォファナやDFブノワ・バジアシーレといった若き才能を積極的に集めている。

 夏に比べると大物選手が動かない印象のある冬の移籍市場だが、実は近年のプレミアリーグでは、サッカー界の勢力図を書き換えるような選手たちが1月の移籍を果たしているのだ。それでは、どんな“ゲームチェンジャー”が動いたのか、過去5年の冬の移籍市場を振り返ってみよう。

[写真]=Getty Images

■2018年

 近年で最も活発だったのが2018年1月の移籍市場だろう。アーセナルはFWピエール・エメリク・オーバメヤン、チェルシーはFWオリヴィエ・ジルーを獲得。アーセナルとマンチェスター・Uの間では、アレクシス・サンチェスとヘンリク・ムヒタリアンのトレードも見られた。

 そんな大物が行き来した移籍市場で最大の“ゲームチェンジャー”となったのは、サウサンプトンからリヴァプールに加入したDFフィルジル・ファン・ダイクだ。リヴァプールは半年前にも同選手の獲得を狙っていたが、その時は不正があったとしてプレミアリーグに注意を受け、謝罪を発表して「同選手への興味は止めた」と断言させられていた。

 無論、本当に興味が無くなったわけもなく、半年後に当時のDFにおける世界最高額の移籍金7500万ポンド(約114億円)でオランダのセンターバックを確保した。これでチームとして完成したリヴァプールは2018-19シーズンにチャンピオンズリーグを制すると、2019-20シーズンには30年ぶりのリーグ制覇も成し遂げた。

■2019年

 レスターがMFユーリ・ティーレマンス、ニューカッスルがFWミゲル・アルミロンを獲得するなど中堅クラブの補強が目立ったこの年は、1つの移籍の話題で持ちきりだった。それがフランスのナントからカーディフに加入するはずだったFWエミリアーノ・サラである。

 カーディフと3年契約を結んだサラは、小型飛行機でナントから新天地へ移動中に機体ごと消息を絶った。その後、必死の捜索で海中から機体が発見されるもサラは帰らぬ人に。28歳だった。残留争いの頼みの綱としてサラを獲得するはずだったカーディフは悲しみに打ちひしがれた。ユーモア満載の発言で有名なニール・ウォーノック監督も、この時ばかりは「40年の監督業で他の比にならないほど辛い。本当は、もう試合などしたくない」と吐露。結局、カーディフは浮上のキッカケをつかめず、18位で2部に降格した。

 実はこの冬には、のちに世界中を驚かせる“ゲームチェンジャー”がプレミアリーグにやってきたのである。それがアルゼンチンを、そしてリオネル・メッシを世界の頂点に導くMFアレクシス・マック・アリスターである。当時20歳のマック・アリスターは、アルヘンティノスからブライトンに4年契約で加入。まだ無名だった同選手は即戦力というわけではなく、加入が決まるとそのシーズンはアルヘンティノスに留まって経験を積むのだった。

■2020年

 日本代表FW南野拓実がザルツブルクからリヴァプールに加入した冬、プレミアリーグに大きな衝撃を与えた選手がいる。それがスポルティングからマンチェスター・Uに加入したポルトガル代表MFブルーノ・フェルナンデスである。プレミアリーグ史に残る即効性を発揮した同選手は、いきなりプレミアリーグ月間最優秀選手に選ばれると、そのシーズンはリーグ戦14試合に出場して8ゴール7アシストの大活躍。その後も数々の記録を塗り替え続けている。

 さらに、その年にはもう一人の“ゲームチェンジャー”がいた。それがスラヴィア・プラハからウェストハムに期限付き移籍したチェコ代表MFトマーシュ・ソウチェクである。豊富な運動量と長身を活かしたヘディングシュートを武器に、ソウチェクはプレミアリーグの舞台で大暴れ。完全移籍に移行した2020-21シーズンには、プレミアリーグで10ゴールを叩き出してウェストハムの6位躍進に貢献した。

■2021年

マルティン・ウーデゴーア

 冬のお買い物が得意なブライトンが、エクアドル代表MFモイセス・カイセドを確保したのはこの年だ。だが、彼は即座に結果を出したわけではない。最初は出番を貰えず、2021-22シーズンの前半はベルギーのベールスホットにローン移籍。ようやくブライトンでレギュラーに定着したのは昨シーズンの終盤からだ。それが今ではチームに欠かせない心臓部となっており、FIFAワールドカップカタール2022でもエクアドル代表の中心として活躍。ビッグクラブからラブコールを送られる存在となっている。

 だが、その冬の移籍市場の“ゲームチェンジャー”と呼ぶべき選手は、レアル・マドリードからアーセナルに加入したノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴーアだろう。黄金の左足から数々のチャンスを作り出すだけでなく、それまで幾度となくトラブルを引き起こしていたアーセナルの主将問題に終止符を打ってくれたのもこの選手だ。

 今シーズンから腕章を巻くウーデゴールは、FWガブリエウ・ジェズスと共に攻撃を牽引。首位を走るチームで今季ここまでリーグ戦16試合で7ゴール5アシストの活躍を見せており、19シーズンぶりのリーグ制覇を目指すアーセナルの若きリーダーとして輝きを放っている。

■2022年

 この年は意外なチームが大物を獲得して話題を集めた。心臓疾患を克服したデンマーク代表MFクリスティアン・エリクセンが復帰の場に選んだのは、ブレントフォードだった。エリクセンが試合に出始めると、失速気味のチームも勢いを取り戻すことに。エリクセンがスタメン出場したプレミアリーグの試合でチームも5連勝。敵地でチェルシーを4-1で撃破するなど印象的な勝利も挙げて、チームは最終的に13位で残留した。エリクセンも11試合で1ゴール4アシストの数字を残し、夏にマンチェスター・Uへと移籍した。

 だが、昨冬の移籍市場の主役といえば、やはりニューカッスルだろう。2021年10月にサウジアラビアの政府系ファンドに買収されたクラブは、冬の移籍市場で大型補強を刊行。DFダン・バーン、MFブルーノ・ギマランイス、FWクリス・ウッド、DFキーラン・トリッピアーという実力者を次々にかき集めた。

 当時、チームは19位に低迷しており降格の危機に陥っていたが、エディ・ハウ監督の元で新戦力が躍動してシーズン後半に猛チャージ。無事残留にこぎつけると、今季はトップ4争いを演じている。そんなチームの“ゲームチェンジャー”と呼ぶべき選手は右サイドバックのトリッピアーだろう。19位のチームに加入したことについても「全く不安はなかった。僕はキャリアを通じて、ずっと信念を持ってきたんだ。必ずチームの残留に貢献できると思った」と振り返る。

 その言葉通り、ニューカッスルに加入すると攻守両面でチームに貢献。昨季はシュート2本で2ゴール。しかも2本とも得意の直接FKという離れ業を見せた。今季は腕章を巻いてチームの大躍進に貢献しており、自分たちは「地に足を着けて現実的であるべき」と語りながらも「ファンは必死で働いたお金でチケットを買っているので夢を見るべきだ」とサポーターの盛り上がりを喜んでいる。

 果たして、今冬はどんな“ゲームチェンジャー”がプレミアリーグにやってくるのか。今後も1月の移籍市場から目が離せない。

(記事/Footmedia)

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