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来季は戦力として復帰できるのか…リヴァプールのローン移籍選手事情

現在リヴァプールからローン移籍中の選手たち [写真]=Getty Images

 リヴァプールは3日にビジャレアルとのチャンピオンズリーグ(CL)準決勝セカンドレグを3-2で制し、3シーズンぶりに決勝進出を果たした。2点を先制されながらも、その後3ゴールを奪い、2試合合計スコアを5-2としたリヴァプール。試合後の記者会見を終えたユルゲン・クロップ監督は、部屋を去る直前に「ところで、ナット・フィリップス、おめでとう」と付け加えた。

 リヴァプールがビジャレアルと戦っている最中に、ローン移籍先のボーンマスでプレミアリーグ昇格を決めたナサニエル・フィリップスに向けたメッセージだった。自らのチームが欧州最高峰の戦いでファイナル進出を決めた直後ですら、ローン先で奮闘する選手を気遣うことも忘れないクロップ監督。多くの選手が同監督を慕う理由はこんなところにあるのだろう。フィリップス宛てのメッセージは、同選手以外のローン移籍中の選手にも励みになったに違いない。来季こそはリヴァプールのユニフォームを着て活躍したいという思いも強まったはずだ。

 そこで今回は、現在リヴァプールからローン移籍中の6選手を紹介する。来季はアンフィールドで戦力として活躍することができる選手は何人いるだろうか。

※カッコ内は(ポジション/年齢/ローン移籍先)
[写真]=Getty Images

■ナサニエル・フィリップス(DF/25歳/ボーンマス)

ナサニエル・フィリップス

「ナットは最高に信頼できるし、正直に言えばここに残したかった」。今冬の移籍市場でナサニエル・フィリップスのローン移籍が決まった際、クロップ監督は本音を口にした。ボルトンのユース出身で、2016年にリヴァプールの下部組織に加入した25歳のセンターバック。2019-20シーズンは当時ドイツ2部のシュトゥットガルトにローン移籍。デヤン・ロヴレンやジョエル・マティプが離脱し、シーズン途中にリヴァプールから呼び戻されてFAカップでデビュー。わずか2週間でドイツに戻ると、遠藤航と共にシュトゥットガルトの1部昇格に貢献。昨季は負傷者が続出したリヴァプールの最終ラインを支えた。

 戦力が整った今シーズンは出場機会が減少したが、クロップ監督は「私が指導した中で最も賢い選手の一人」であるフィリップスの成長ぶりは「常軌を逸している」と絶賛。溺愛するDFを簡単には手放したくなかったようだ。それでも4冠を目指すリヴァプールのベンチではなく、チャンピオンシップの舞台でピッチに立つことを選んだフィリップス。ボーンマスに合流後、全18試合中17試合にフル出場して同クラブの自動昇格に大きく貢献した。

■セップ・ファン・デン・ベルフ(DF/20歳/プレストン)

セップ・ファン・デン・ベルフ

 チャンピオンシップの中堅クラブで1年半も揉まれ続けた若きDFは、“別の選手”としてリヴァプールに戻ることを宣言した。リヴァプールがアヤックス、バイエルン、PSVとの争奪戦を制して、オランダのズウォレから当時17歳のセップ・ファン・デルフを獲得したのは2019年のこと。「5年間も出場機会を待たせるような長期プロジェクトではないが、即時の戦力ではない」と獲得時に説明していたクロップ監督は、最終ラインの選手が不足していた昨季の冬の移籍市場で、ファン・デン・ベルフをプレストンにローンで放出した。

 過酷なチャンピオンシップでレギュラーとしてプレーをすることで自信を付けたオランダU-21代表DF。先月受けた取材の中で、「リヴァプールに来た時は17歳だったけど、もう20歳。チャンピオンシップでは60試合以上に出場した。夏に戻る時には(加入時とは)別の自分になっていることは間違いないよ」とクロップ監督にアピール。一回りも二回りも成長した姿を披露することを約束した。

■ネコ・ウィリアムズ(DF/21歳/フルアム)

ネコ・ウィリアムズ

 イングランド代表DFトレント・アレクサンダー・アーノルドからポジションを奪うのは、どんな選手にとっても至難の業だ。同選手と右サイドバックのポジションを争うウェールズ代表DFネコ・ウィリアムズは、今冬の移籍市場で、フルアムへのローン移籍を選択した。6歳からリヴァプールのアカデミーに所属し、2018-19シーズンにはリース・ウィリアムズらと共にFAユース杯で優勝を果たしたN・ウィリアムズ。2019年10月にリーグ杯アーセナル戦でトップチーム初出場を飾り、翌年6月のクリスタル・パレス戦でプレミアリーグでもデビュー。その2カ月後、リヴァプールと2025年までの長期契約にサインを交わした。

 2つ年上のA・アーノルドの壁は高く、出場時間を増やすことに苦戦していたN・ウィリアムズは、プレミア復帰を目指すフルアムに合流。即座に定位置を確保すると、同クラブのプレミア昇格とチャンピオンシップ優勝に貢献した。フルアムが昇格を決めた後に公の場で、シーズン終了後にはリヴァプールに戻ると明言したN・ウィリアムズ。「世界最高の監督の一人」であり、「リヴァプールの選手たちを今の状態に成長させた」と評するクロップ監督には心酔している様子。ただ、同時にプレミアリーグのピッチに立ち続けたいと発言していることから、リヴァプール以外の道を選択する可能性もありそうだ。

■ベン・デイヴィス(DF/26歳/シェフィールド・U)

ベン・デイヴィス

 シンデレラストーリーの幕開けとはならなかった。2020-21シーズンの冬の移籍市場で、フィルジル・ファン・ダイク、ジョー・ゴメス、マティプとセンターバック3人を欠いていたリヴァプールは、チャンピオンシップのプレストンからベン・デイヴィスを獲得。ユース世代を含めた代表歴もなく、プレミアリーグのクラブに一度も在籍をしたこともない左利きのセンターバックと4年半の長期契約を交わした。しかし8試合にベンチ入りしただけで、ピッチに立つ機会は一度も訪れなかった。

 昨年夏にチャンピオンシップのシェフィールド・Uにローン移籍したデイヴィス。新型コロナウイルスの感染もあり、年末から欠場が続いていたが、2月23日ブラックバーン戦では後半アディショナルタイムに決勝点をマーク。試合後、ポール・ヘッキングボトム監督は「試合に出ない時でも彼はいつもチームメイトをサポートしてくれる。先日は(ポジションを争うジャック・)ロビンソンが必要なことを何でもすると言ってくれたんだ」と明かし、私欲のないDFのゴールを誰よりも喜んだ。ローン先でもベンチを温める試合が少なくないデイヴィスだが、プレーオフに進んだシェフィールド・Uをピッチの内外で献身的に支えているようだ。

■シェイ・オジョ(MF/24歳/ミルウォール)

シェイ・オジョ

 クロップ体制1年目となった2015-16シーズンの終盤、シェイ・オジョはレギュラーの座をつかみかけていた。2016年3月20日のサウサンプトン戦の終盤にピッチに入り、プレミアリーグでのデビューを飾ったオジョ。初スタメンとなった同年4月10日ストーク戦ではアシストを記録。シーズン最後の5試合は全てピッチに立った。翌季のプレシーズンにオジョを参加させたクロップ監督は、当時19歳のウインガーのローン移籍について、「シェイが素晴らしい選手なのは確かなことで、彼の将来は100%リヴァプールにある。決断を急ぐ必要はない」と躊躇していた。しかし開幕直前に、オジョは腰の軽い疲労骨折が発覚。サディオ・マネを加えた2016-17シーズンのプレミアリーグでは、出場機会は訪れなかった。

 翌シーズン以降、シーズンローンを繰り返しているオジョ。今季はチャンピオンシップのミルウォールに加わり、公式戦で19試合に出場。チームは9位に終わり、プレーオフ圏内には惜しくも手が届かなかった。

■ベン・ウッドバーン(MF/22歳/ハート・オブ・ミドロシアン)

ベン・ウッドバーン

 2016年の夏、当時16歳だったベン・ウッドバーンは親善試合フリートウッド戦でゴールとアシストを記録した。6歳からアカデミーに所属する生え抜きは一躍時の人に。クロップ監督が、「新星現る! みたいなストーリーは私も好きだが、みんな騒ぎすぎだ。記事にするのは18歳とか19歳ぐらいになるまで待ってくれ」と戒めなければならないほど脚光を浴びた。同年11月に1つ年上のA・アーノルドと共に長期契約を締結し、同じ月にプレミアリーグでのデビューを飾ったウッドバーン。

 2016-17シーズンは公式戦で9試合に出場したウインガーだったが、翌季のプレミアリーグでは最終節でピッチに立っただけで終了。2018年からシェフィールド・U、オックスフォード・U、ブラックプールと下部リーグに武者修行に出たものの、レギュラーの座を掴むことはできなかったが、今季はスコットランド1部リーグのハート・オブ・ミドロシアン(ハーツ)でコンスタントにピッチに立っている。リヴァプールとの契約は今季限りで満了となるウェールズ代表ウインガーは来季、どこのスタジアムでプレーをすることになるのだろうか。

(記事/Footmedia)

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