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策士グアルディオラと父のようなクロップ…両監督の下でプレーをしたことがある選手たち

2022.04.15

両指揮官の下でプレーした5選手 [写真]=Getty Images

 16日にウェンブリー・スタジアムで行われるFAカップ準決勝で、マンチェスター・Cのジョゼップ・グアルディオラ監督とリヴァプールのユルゲン・クロップ監督は再び顔を合わせる。
 
 10日にプレミアリーグの天王山を戦ったばかりの両監督。結果は2-2の引き分けに終わり、首位マンチェスター・Cと2位リヴァプールの勝ち点差は「1」のまま変わらず。13日にはチャンピオンズリーグ(CL)準決勝進出を揃って決めており、ファイナルで激突する可能性も残されている。
 
 2016年にグアルディオラ監督がマンチェスター・Cの監督に就任して以降、イングランドで熱戦を繰り広げてきた2人の監督は、バイエルンドルトムントの指揮官としてドイツでもしのぎを削ってきた。フットボール界を牽引する戦術家として名高いグアルディオラ監督と、教え子たちから「父親のような存在」と慕われるクロップ監督。どちらもトロフィーを獲得してきただけでなく、チームの地力を上げた手腕が高く評価されている。
 
 現代を代表する2人の名将にはどんな共通点、あるいは違いがあるのだろうか。それを知るには教え子たちに聞くのが一番だ。そこで今回は、グアルディオラ監督とクロップ監督のどちらの下でもプレーをしたことがある5人の選手を紹介する。

[写真]=Getty Images
 
※カッコ内は(ポジション/現所属チーム/年齢)
 

マリオ・ゲッツェ(MF/PSV/29歳)

マリオ・ゲッツェ
 
 プロデビューの場を与えてくれたクロップ監督については、一貫して愛情と感謝を伝え続けるマリオ・ゲッツェ。一方で、かつては「共感性がない」と非難したグアルディオラ監督に対する考えも、時を経て変化したようだ。
 
 8歳からドルトムントの下部組織に所属し、17歳の時にクロップ監督率いるトップチームの試合に初出場したゲッツェ。2010-11シーズンには18歳の若さでレギュラーとしてリーグ制覇に貢献。2012-13シーズンにはCL決勝進出の原動力となった。21歳でグアルディオラ監督が就任したバイエルンにドイツの至宝として迎えられるも、国民の期待に沿うことはできず。わずか3年でドルトムントに戻って以降は、低空飛行が続いる。
 
 昨季からPSVでプレーをするゲッツェは、今月上旬に応じた英国メディアのインタビューの中で、2人の元恩師について言及。バイエルンを去った2016年夏に、クロップ監督からリヴァプール入りを誘われながらも応じなかった過去を明かした。後悔はしていないと前置きしながらも、「今の僕への質問とするなら、リヴァプールへ加わるべきだっただろうね」と未練を覗かせている。また、4年前には「試合のことに集中しすぎで構想外の選手のことは眼中にない」と批判したグアルディオラ監督については、「選手への要求が厳しい」ことは認めながらも、「ピッチ外ではすごく良い人。家族やプライベートなことでも話ができる」と態度を軟化。苦労を重ねた上で発した「クロップとグアルディオラは僕のキャリアで最も重要な監督」という言葉に嘘はないだろう。
 

ジェルダン・シャチリ(MF/シカゴ・ファイアー/30歳)

ジェルダン・シャチリ
 
 ゲッツェと同様、グアルディオラ監督への恨み節を口にした過去を持つのはジェルダン・シャチリだ。2012年にバーゼルからバイエルンに移籍し、1年目はユップ・ハインケス氏の下で三冠達成に貢献。しかしグアルディオラ監督が就任した2013年から出場機会が激減し、2015年1月にロベルト・マンチーニ氏が率いていたインテルに移籍した。
 
 2016年にストークの選手として、マンチェスター・Cの監督に就任したグアルディオラ監督と対戦する機会が訪れたシャチリ。試合前のインタビューでスペイン人指揮官について、「ピッチで出している結果を見れば優秀かもしれないけど、僕とはコミュニケーションが取れていなかった」と批判。さらに、当時イングランド代表GKだったジョー・ハートがマンチェスター・Cのスタメンから外されたことを受けて、「グアルディオラは外す理由を選手に伝えない。選手は悩まされる」と暴露していた。
 
 2018年からはクロップ監督のリヴァプールでプレーをしたシャチリ。レギュラーの座をつかめないまま2021年にリヨンへ移籍することになったが、同監督との関係は良好そのもの。今年2月にMLSのシカゴ・ファイアーと契約した際には、「ユルゲンとは本当に良い関係を築いていた。今回の移籍を祝福するメッセージも送られてきた。今でも連絡を取っているんだ」と明かしたシャチリ。グアルディオラ監督への遺恨も晴れたようで、「クロップ、グアルディオラ、ハインケス、オットマール・ヒッツフェルトたちと仕事をしたことを誇りに思う。多くのタイトルを獲得した、経験豊富な偉大な監督たちだ」とグアルディオラ監督の名前を含め、歴代監督への感謝の思いを口にしていた。
 

ロベルト・レヴァンドフスキ(FW/バイエルン/33歳)

ロベルト・レヴァンドフスキ

 クロップ監督を語る際、「父親のような存在」という表現を使う選手は数多い。しかし16歳で実父を亡くし、初めて挑んだ国外移籍先の指揮官がクロップ監督だったロベルト・レヴァンドフスキにとっては文字通り、同氏が「父親のような存在」だったことは想像に難くない。
 
 2010年にポーランドの名門、レフ・ポズナンからドルトムントに移籍したレヴァンドフスキ。1年目は途中出場がメインながらも、リーグで8ゴールを決めてブンデスリーガ優勝を経験。2年目には絶対的エースの座に君臨し、リーグとDFBポカールの2冠に貢献すると、2012-13はチームをCL決勝に導いた。ドルトムントとの契約が最終年となった2013-14シーズンにリーグ得点王に輝いたレヴァンドフスキ。次なる挑戦の場に選んだのは、グアルディオラ監督が率いるバイエルンだった。
 
 クロップ監督の指導の下でブンデスリーガを代表する点取り屋に成長を遂げたレヴァンドフスキは、グアルディオラ監督の下で世界屈指のストライカーとして地位を固めることに成功。昨季はリーグ戦で41ゴールを決め、ブンデスリーガのシーズン最多得点記録を49年ぶりに更新し、ゴールデンシュー(欧州得点王)にも輝いた。昨年9月の受賞式では「今シーズンも素晴らしいスタートを切ったから、もう一度取っても驚かない」というクロップ監督からのビデオメッセージが流されたが、恩師の予言通り、現時点でリーグ32ゴールを決めているレヴァンドフスキは、今季もランキングのトップを独走している。
 

チアゴ・アルカンタラ(MF/リヴァプール/31歳)

チアゴ・アルカンタラ
 
 グアルディオラ監督が2013年にバイエルンの監督を引き受ける際、1つだけ出した条件は「チアゴ・アルカンタラ」だった。2009年5月にバルセロナのトップチームで当時18歳のチアゴをデビューさせたグアルディオラ監督。2012年にバルセロナを退任し、1年の休養期間を挟んだ後、数多の誘いの中から選んだ次の職場はバイエルンだった。「クラブに私のコンセプトを話し、だからチアゴが欲しいと伝えた。求めた選手は彼だけだ」と説明していたグアルディオラ監督。愛弟子と再タッグを組むことは成功したが、チアゴは2014年に膝に重傷を負ったこともあり、同監督がバイエルンを率いた3年間で80試合しかピッチに立つことができなかった。
 
 グアルディオラ監督がドイツを離れた後もバイエルンでプレーを続けたチアゴは、2020年夏にプレミアリーグへの挑戦を決意。しかし行先はマンチェスターではなく、クロップ監督の待つリヴァプールだった。新型コロナウイルスの陽性反応や負傷で出遅れたチアゴだったが、シーズン後半はレギュラーに定着。今季も中心選手の一人として4冠を目指すチームを支えている。
 
 クロップ監督とグアルディオラ監督の違いについて、昨年11月の記者会見で質問を受けたチアゴ。「2人ともカリスマ性があり、より良いパフォーマンスをして窮地を救う力のあるチームを有している」と両者を称えた上で、プレースタイルに関しては「一方がよりポゼッションが多く、もう一方はよりワイルドさがあるけどコントロールもできる。どちらもそれぞれが望む最高のフットボールをしている」と分析していた。
 

イルカイ・ギュンドアン(MF/マンチェスター・C/31歳)

イルカイ・ギュンドアン
 
 グアルディオラ監督がマンチェスター・Cの指揮官として最初に獲得した選手は、クロップ監督の下でドイツ代表選手に成長したイルカイ・ギュンドアンだった。20歳でドルトムントに加入し、すぐにクロップ監督のチームでレギュラーの座を掴んだギュンドアン。同監督の下でプレーをした4年間で117試合に出場し、リーグ連覇も経験。クロップ監督がリヴァプールに就任した翌年にマンチェスター・Cに加入しているが、移籍の際にクロップ監督にもアドバイスを求めたというエピソードが両者の関係の良さをうかがわせる。
 
 イングランドでの1年目は右膝の前十字じん帯断裂で活躍できずに終わったが、2年目以降は選手層が厚いマンチェスター・Cの中で、確実に計算できる選手として指揮官から絶大な信頼を得ている。グアルディオラ監督は3月にスカイスポーツのインタビューで、将来的に監督になる可能性が最も高い選手は誰かとの問いに対し、迷うことなくギュンドアンの名前を挙げたほどだ。
 
 これまでに幾度となくクロップ監督については“父親”や“友人”といった親しみのこもった描写を用いているギュンドアン。近所に住んでいるというグアルディオラ監督については、「ずっと彼のファンだった。彼の下でプレーがしたいと思っていた」と憧れの存在であったことを告白。同監督の対戦相手に対する分析力にも感銘を受けていると語っている。2人の名将の下で選手としても成功し、今も変わらず両者と最も良い関係を継続中なのはギュンドアンかもしれない。

(記事/Footmedia)

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By Footmedia

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